2018年8月18日(土)

エプソンが糖尿病患者向けウエアラブル、運動療法を指南

2015/1/20付
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日経デジタルヘルス

 「早い時期に糖尿病患者に届けられれば、商品として価値あるものになる」――。セイコーエプソン 業務執行役員 センシングシステム事業部 事業部長の森山佳行氏は、「第1回 ウェアラブル EXPO」(2015年1月14~16日、東京ビッグサイト)の基調講演に登壇。「エプソンのウエアラブル事業戦略」と題して講演し、この中でウエアラブル型脈拍計の医療応用について語った。

 エプソンは、一般消費者や健康保険組合向けのウエアラブル型脈拍計を製品化済み。2014年10月には、ランニング用GPS(全地球測位システム)ウォッチ「WristableGPS」に脈拍計測機能を搭載。同年11月には、脈拍と体動を測れるリストバンド型活動量計「PULSENSE」を発売した。

講演の様子

講演の様子

 森山氏が同社のバイタルセンシング技術の強みの一つに挙げたのが、「ダブルセンサー技術」。脈拍センサーにフォトダイオードを2個搭載し、それぞれ脈拍と雑音を主に測ることで、運動中でも体動の影響を排除した正確な脈拍数を測定できるようにするものである。

 測った脈拍からどのような情報をフィードバックするかについても、検討を重ねてきた。例えば脈拍数と脂肪燃焼量の関係を基に、効率よく脂肪を燃焼できる運動強度を知らせ、メタボリックシンドローム改善につなげるプログラムを開発。健康保険組合向けに提供している。

■脈拍数上昇に伴って血糖値が低下

 次の展開とにらむのが、医療分野への応用だ。「脈拍計をさらに進化させ、いずれは医療分野に打って出たい」(森山氏)。具体的にはまず、脈拍データを糖尿病患者の運動療法支援に利用することを狙う。研究機関と共同で、糖尿病患者を対象に、脈拍を指標とする運動効果に関する研究を進めているという。

 この研究では、糖尿病患者が食後に適度な運動を行った場合に、脈拍数の増加に伴って血糖値が低下することが分かってきた。運動療法によって血糖値をある程度コントロールできることは知られているが、「やみくもに運動しても効果はない。脈拍に注目することで、適度な運動を知らせることができる」(森山氏)というわけだ。

 エプソンは近い将来に、運動療法の支援に使えるウエアラブル型脈拍計と、付属するアプリケーションソフトを製品化する考え。具体的な時期には言及しなかったが、道筋は「見えてきている」(同氏)。

(日経デジタルヘルス 大下淳一)

[日経テクノロジーオンライン 2015年1月19日掲載]

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