手本は前田に金子…阪神・藤浪、貪欲にエースの心得
スポーツライター 浜田昭八

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2015/1/18 7:00
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藤浪の優れた点として首脳陣や同僚が挙げるのは、研究熱心で修正能力が高いことだ。チームの先輩から学ぶだけでなく、他球団の主力投手からも熱心に「取材」した。オールスター戦や日米野球に出場したときは、オリックス・金子千尋からチェンジアップ、広島・前田健太からツーシームの使い方を学んだ。

変化球の精度上げ、完投数を増加へ

大谷とのスピード競争に後れをとったから、変化球投手に変身しようというわけではない。基本はストレート勝負という考えに変わりはない。ただ、先発ローテの一角を担う投手として、スピードを誇示するだけの投球はできない。阪神の救援陣の中核を占める福原忍、安藤優也らの老化は避けられない。藤浪に求められるのは1年目ゼロ、2年目2試合だった完投を増やすこと。そのために投球の幅を広げる変化球の精度を上げようと考えているのだ。

それと同時に、金子やマエケンから「エースはいかにあるべきか」という姿勢を学び取ろうとしている。1月14日からは、マエケンに頼み込んで自主トレを一緒に行った。これまでは、能見らの後ろについていけばよかった。これからは岩崎優、松田遼馬、ドラフト1位新人の横山雄哉ら同世代の若手投手を引っ張る立場に立つことが求められる。

日本球界のエースへの飛躍も期待

そればかりか、日本球界のエースに飛躍することも期待されている人材ではないか。20年の東京五輪に野球が正式な競技種目として復活する可能性が高い。20歳の藤浪は26歳の日本のエースとして、日本代表の先頭に立たねばならない。和田豊監督は「藤浪は舞台が大きくなるほど力を出す」と、日の丸を背負った藤浪の活躍を早くも期待している。

昨年末の契約更改で推定年俸は8500万円に跳ね上がった。少し遅れて行われた日本ハムの契約更改で、大谷は「1億円」になったと明言した。年俸でも差をつけられた。だが、ライバルとの年俸争いという次元にとどまっている場合ではない。阪神の優勝、野球界の発展へ向けて、藤浪の肩にかかる期待は果てしなく大きい。

 藤浪晋太郎(ふじなみ・しんたろう) 1994年大阪府出身。2013年、大阪桐蔭高からドラフト1位で阪神入り。1年目10勝、2年目11勝と2年連続2桁勝利をマークした。197センチ、90キロ。右投げ右打ち。
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