2019年2月24日(日)

[FT]仏紙襲撃、内側からの「報復」に高まる緊張

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2015/1/9 7:00
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フランス当局は何カ月も前から自国領土への大規模なテロ攻撃を恐れ、警告を発してきた。中東で戦うイスラム主義勢力に参加する大勢のフランス兵士と過去の殺害事件から、当局者は懸念を募らせていた。

どこまでも不遜な風刺画を掲載する週刊紙シャルリエブドに対する7日の襲撃の犯人はまだ特定されていない(注:執筆時点。現地時間7日夜、当局は容疑者を特定)。だが、フランソワ・オランド大統領は12人が撃たれて死亡したパリ中心部の現場を訪れ、即座にこれはテロ攻撃だと断定し、「疑いの余地はない」と述べた。

襲撃犯とされる人物(右の2人)をカメラはとらえていた(7日、パリ)=ロイター

襲撃犯とされる人物(右の2人)をカメラはとらえていた(7日、パリ)=ロイター

すぐにイスラム過激派に疑いがかけられた。シャルリエブドは下品な風刺画で他の宗教とともにイスラム教を繰り返しからかってきた。何年も警察に警護されている同紙のオフィスは過去に、紙面でイスラム法をちゃかした後に火炎瓶を投げ込まれたこともある。

フランスのマニュエル・バルス首相が自国出身のジハード(聖戦)主義者からのフランスに対する「前代未聞の脅威」と呼んだ状況において、シャルリエブドは明白な標的だった。

■フランス、武装勢力へ最大の供給源に

近年シリアとイラクのジハード主義武装勢力に加わった欧州の市民や住民のうち、フランスは最大数の供給源となっていた。当局はしばらく前から、こうした過激派がフランスに戻ったときの「報復」のリスクについて警鐘を鳴らしてきた。

昨年暮れ、政府当局の推計は、外国のイスラム過激派集団に過去に参加した、または現在参加しているフランスの市民・住民の数をおよそ1000人としていた。公式推計は当時、およそ200人が帰国し、そのうち50人以上が投獄されたと述べていた。

帰国した人の中にはジハード主義の大義に幻滅した人もいるかもしれないが、戦闘を母国に持ち込む意思を持ち、監視の目をかいくぐったかもしれない人によって治安の不安が高まっている。

フランス内務省によると、国内諜報(ちょうほう)機関である国内治安総局(DGSI)は昨年12月までの18カ月間に5件の重大なテロ計画を阻止した。

襲撃の性質は、欧州の治安責任者の間で懸念をあおることになるだろう。欧州のある治安当局者によると、襲撃に関与した犯人が1人ではなく、残虐行為が自動小銃で行われたという事実は、高度な計画と協調を暗示しているという。シャルリエブドでテロリストたちが名前を挙げて個人を探したとする初期の報道は、詳細にわたる準備がなされたことを示唆している。

このような企てがなぜ見落とされたのか問われることになるだろう。治安当局は特に、襲撃の計画立案に手を貸したセル(テロ集団の細胞組織)のメンバーがほかにもいるのかどうか、また、事件後に全員逃亡したシャルリエブドの襲撃者がほかにもターゲットを定めているのかどうかを知るのに躍起になるだろう。

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