2019年9月21日(土)

SIMフリー端末の落とし穴に注意 基本から学ぶ「格安スマホ」(下)
フリーライター 竹内 亮介

(3/3ページ)
2015/1/10 7:00
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やっかいなのは、SIMフリーでLTEに対応している端末であっても、すべての周波数帯をフルに利用できるわけではない。ドコモ系の格安携帯電話サービスなら利用できるが、KDDI系の格安携帯電話サービスでは利用できない、という端末は決して珍しくはない。

さらに混乱に拍車をかけるのが、「同じ端末」であっても、どこの携帯電話会社から発売されたのか、あるいはどこの地域向けに発売されたかによって、対応する周波数帯が違うことだ。特に、各大手携帯電話各社が「プラチナバンド」などと呼び、つながりやすさをアピールする700~900MHzの周波数帯では、スマートフォンごとの対応状況が大きく異なる。

しかもこうした周波数帯の対応は、ウェブサイトの製品情報から確認しにくい。もちろん製品のマニュアルをダウンロードし、隅から隅までじっくり読めば記述してあるのだが、なかなかそこまでできるユーザーは少ないだろう。ましてやダウンロードできるマニュアルが外国語表記だったりすると、ハードルはさらに高くなる。

SIMフリーのスマートフォンやタブレットには、確かにさまざまなメリットがある。そしてSIMフリーであれば、どこの地域でも、どの周波数帯でも利用できるというのが理想だ。そして、SIMフリースマートフォンを、そういう存在であると誤解している人は少なくない。

しかし現状では、地域ごとに対応状況が大きく異なる。せっかくの自由度の高さを十分に生かせる製品は少なく、環境も整っていないというのが現状である。

■国内ならMVNO元のスマホを使おう

スマートフォンの中古市場は大きな広がりを見せている

スマートフォンの中古市場は大きな広がりを見せている

結論としては、国内で格安携帯電話サービスを使う場合は、MVNO提供元のスマートフォンを使うと一番トラブルが少ないだろう。SIMフリーのスマートフォンは比較的低価格なので、購入しやすいというメリットはある。しかし前述したように、今まで使ったスマートフォンをそのまま流用してもいいし、中古市場で安く手に入れてもいい。

一方で旅行や出張など、海外で利用する機会が多いなら、SIMフリースマートフォンのメリットは大きい。前述したように対応周波数帯の問題があるので、現地で購入した方が選択肢は広く、失敗は少なくなる。ただし現地で購入して日本に持ち込む場合は、日本の電波法令に準拠したモデルであることを確認しなければならない。

前回紹介した格安携帯電話サービスにしても、今回紹介したSIMフリースマートフォンにしても、現状は過渡期にある。大手携帯電話会社の回線や端末を利用する場合に比べると、さまざまな面で苦労を強いられるのは事実だ。「安い」という言葉だけに踊らされないようにしたい。

竹内亮介(たけうち・りょうすけ)
1970年栃木県生まれ、茨城大学卒。毎日コミュニケーションズ、日経ホーム出版社、日経BP社などを経てフリーランスライターとして独立。モバイルノートパソコン、情報機器、デジタル家電を中心にIT製品・サービスを幅広く取材し、専門誌などに執筆している。
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