日本のVCと正反対 シリコンバレー流「破壊の投資」
校條 浩(ネットサービス・ベンチャーズ マネージング・パートナー)

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2015/1/11 7:00
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米ウーバーテクノロジーズが、総額18億ドル(約2100億円)もの大型資金調達を敢行した。資金調達は、ベンチャーキャピタル(VC)を核に投資会社や事業会社が出資した。

■既存業界の抵抗に真っ向勝負しろ

2009年にサンフランシスコで創業したウーバーは、スマートフォン(スマホ)でリムジンやタクシーを簡単に利用できるサービスを開発し、今では53カ国・地域、260以上の都市で事業展開している。このサービスはタクシー業界の常識を根本から覆す「破壊的イノベーション」であるため、各地であつれきを生んでいる。インドでは運転手が乗客に暴行したとしてウーバーが非難されている。ドイツでは規制に反するとして営業を停止するよう求められている。これだけ産業界や行政からの反発があるのに、何故VCから2100億円もの資金調達が可能だったのか? これはVCの「既存業界からの抵抗に真っ向勝負しろ」との意思表示なのだ。

そこに、破壊的イノベーションのための「装置」として、シリコンバレーを中心に発展したVCの真骨頂がある。ウーバーに出資したVCのひとつはクライナー・パーキンス・コーフィールド&バイヤーズ(KPCB)という有力VCで、米アマゾン・ドット・コム、米グーグルなど、新しい産業パラダイムを築いた破壊的イノベーターを育成してきた。KPCBは、ウーバーに早い時期から出資をして世界展開を後押ししている。ウーバーの各地での係争は成長のプロセスと見ているようだ。

■日本のVCは「未公開株投資業」

一方、日本にはKPCBのようなVCは存在しない。日本でVCと呼ばれている投資機関は未公開株投資業に近く、実は業種が違うのに、同じ「VC」という呼び名を使ってしまったことにより大きな誤解を生んでしまった。

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