2019年5月20日(月)

道路陥没のソウル市、日本企業が空洞調査 無償で

2014/12/25付
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日経コンストラクション

路面下の空洞調査を手掛けるジオ・サーチ(東京都大田区)は2014年12月19日、韓国ソウル市の要請を受けて無償で実施した市内の道路約60kmにわたる調査の報告書をまとめ、市に提出した。

ソウル市は今後、約1200kmに及ぶ市内の道路全体の状況を把握するため、東京都に協力を要請するとみられる。日本企業がソウル市の調査業務に本格参入する可能性が出てきた。

ソウル市内で実施した路面下の空洞調査の様子。それぞれの写真の中央付近に見えるのが空洞探査車。時速60kmで走行しながら調査できる。左の写真は韓国の国会議事堂前で、右は世界文化遺産の昌徳宮前(写真:ジオ・サーチ)

ソウル市内で実施した路面下の空洞調査の様子。それぞれの写真の中央付近に見えるのが空洞探査車。時速60kmで走行しながら調査できる。左の写真は韓国の国会議事堂前で、右は世界文化遺産の昌徳宮前(写真:ジオ・サーチ)

ソウル市から要請を受けたジオ・サーチは11月に、市との間で「無償の試験的空洞調査覚書」を締結。この覚書に基づいて、同社の空洞探査車をソウル市に持ち込み、12月1日から4日にかけて対象区間を調査した。

調査の結果、空洞の生じている可能性の高い箇所が複数見つかった。汝矣島(よいど)駅付近の路面下では縦1.7m、幅1.5m、深さ53cmの空洞を発見した。市に提出した報告書には、空洞の規模や分布をもとに補修の優先順位を示した「陥没危険度マップ」を添付した。

ジオ・サーチは、今回の調査に要した600万円以上の費用を、海外の路面下の状況を知るための研究開発費として計上した。同社では、空洞発見能力の高さを海外で初めて証明できたとしている。

■道路の陥没が社会問題化したソウル市

ソウル市では近年、下水道の老朽化や豪雨などが原因とみられる道路の陥没が多発している。2012年に689件、13年には854件も発生し、大きな社会問題になっている。しかし、市が市販の地中レーダーなどを用いて調査したものの、思うような成果が得られなかったという。今回の調査で見つかった空洞も、発見できていなかった。

市は今回の調査を、近い将来に「安全都市」宣言をするための第一歩とする考えだ。今後、市内全域の調査のため、路面の陥没予防に特化した形で改めて東京都に協力を要請し、日本の空洞調査会社に参画を求めるとみられる。

(フリーライター 山崎一邦)

[ケンプラッツ 2014年12月24日掲載]

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