「もっと自由な経済紙」目指す ニューズピックスの誤算と勝算
ブロガー 藤代裕之

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2014/12/26 7:00
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ニュースキュレーションの多くはコンテンツを自前で作らない中、経済に特化した「ニューズピックス」(運営会社ユーザベース)は独自コンテンツを作る編集部を持ち、記事の有料化を目指す。だが、これまでの取り組みには誤算があった。「東洋経済オンラインの成功体験を引きずっていた」。東洋経済新報社から移籍したニューズピックスの佐々木紀彦編集長はこう反省する。コンテンツを量産してページビュー(PV)を稼ぐネットニュースのやり方が通用しなかったのだ。独自路線に挑むニューズピックスに勝算はあるのか。

■有料メディアには引き算が必要

ニューズピックスの佐々木紀彦編集長

ニューズピックスの佐々木紀彦編集長

2014年はニュースキュレーションが大きな注目を集めた。グノシー、スマートニュース、アンテナなどが激しく競い合い、アプリのダウンロード数が500万を超えるサービスも出ている。その中で、ニューズピックスは30万にとどまる。それは、ニューズピックスが独自の路線を歩むからだ。

提携メディアからの記事をPick(選択)してコメントを書き込むピッカーとよばれるユーザーがコミュニティーを作り出し、独自コンテンツも充実させて月額1500円の有料化を進めている。

佐々木編集長は、7月に東洋経済オンラインから移籍し、運営会社であるユーザベースの執行役員も務める。「最初の1、2ヵ月はぐちゃぐちゃで覚えていない。編集は自分だけで、企画、採用、ビジネスモデルなど土台作りで時間をとられた。メディアを更地から作るのは大変で、東洋経済オンラインの時はいかに恵まれていたか実感した」と語る。

現在チームは20人。技術者が10人、編集とビジネスが10人。佐々木編集長はチーム作りを進める一方で、独自記事による連載や講談社や毎日新聞などと連携した記事を掲載するなどコンテンツの拡大を続けて来た。だが、無料メディアだった東洋経済のやり方は通用しなかった。

「連載を増やしたら、多すぎて読みきれないという声が出た。無料メディアはたくさんのコンテンツを作ってPVをとるのが勝ちだったが、有料メディアは違った。ウェブ空間が無限にあるからといって、量を増やすという世界観は捨てなければいけなかった」。有料メディアには引き算が必要だった。

ビジネスパーソンが多いユーザーがニューズピックスに求めているのは、効率的にニュースを読むことで、コンテンツに求めるものは量より質だった。佐々木編集長は目指すべきスタイルをエストネーションやビームスといったアパレル分野のセレクトショップになぞらえる。

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