2019年6月17日(月)

もっと輝け伝統工芸 奈良発、老舗の心意気

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2014/12/22 7:00
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陶磁器、漆器、木工品、カバン…日本各地にある工芸品の多くは中小企業が担うが、輸入品などにおされ、経営は苦戦している。そこで「日本の工芸を元気にする!」と呼びかけ、各地のものづくり中小のコンサルティングに奔走するのが奈良に本拠を置く中川政七商店の中川淳社長だ。単発の新商品開発ではない、会社全体の経営に生かすブランドの確立・育成を軸に、会社を大きく変える。

■ブランドコンセプト固める

ストローファームのコンサル風景(左が萩野社長)

ストローファームのコンサル風景(左が萩野社長)

「明るい(という言葉)は必要だね」

「場所は海と山の間」

「明るい農村生活はどう?」

これは11月半ば、中川政七商店の奈良本社でのひとこまだ。集まったのは、高知の木工玩具メーカー、ストローファーム(安芸市)の萩野和徳社長と中川社長、第二事業部の千石あや商品企画課長、コンサルに協力するメソッド(東京・渋谷)の山田遊社長だ。

この日の会議のテーマは、新しいブランドのコンセプトを固めることだった。工房のある高知の場所をイメージする様々な言葉が矢継ぎ早に飛び交う。次第に言葉が煮詰まっていき、中川社長が「明るい太陽の下、海と山のまん中。これでいこう」と宣言した。

この間約50分。一転して製品ごとの細かい原価の分析、商品政策の話に移る。

「この商品の原価がこんなに高いのはなぜ?」

「5000円は若い層がお祝いを贈りやすい価格帯だ」

ストローファームは地元の木材を使う玩具会社だ。それまで「ブランドの組み立てがわからなかった」という萩野氏が中川氏の講演を聞いたその場でコンサルを依頼し、今年4月から始まった。

実はこの11月の会議では、萩野社長以外の3人がほぼしゃべり続け、コンセプトが固まった。萩野氏は「3人のスピード感が速すぎてついていけない部分はある」ともらす。それでも自分が納得しないときは話をそれ以上進めない。

中川社長は「本人や社員が納得せずに進めても意味がない。新ブランドで商品を出してもスタートにすぎないからだ」という。

中川政七商店のコンサル料は規模や内容によるが、相手が中小企業の場合だと、月25万円から。総額数千万円もすることがあるコンサルに比べれば格安だが、それでも中小にとって負担は大きい。

中川政七商店のコンサルは資金負担の面からも1年から1年半程度で終わることが多い。コンサル後に社長と企業が独り立ちし、商品を改良し、ブランドを進化させる必要がある。

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