2019年5月23日(木)

エアコン「暖房に不向き」はウソ 正しく使い最強の省エネ
冬に備える家づくり(6)

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2015/1/4 7:00
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日経アーキテクチュア

 エアコンが暖房に向かないと思っている人は少なくない。もし、あなたが「省エネ」のためにエアコンよりも電気ヒーターや電気カーペットを使っているとしたら、それは明らかに判断を誤っている。最終回は、東京大学准教授の前真之氏が執筆した書籍「エコハウスのウソ」から、「エアコンによる暖房効率」についての解説を掲載する。

(イラスト:ナカニシミエ)

(イラスト:ナカニシミエ)

特集「冬に備える家づくり」の第5回で、吹き抜け空間をエアコンで暖房するのは難しいことを示した。しかし、どんな暖房であっても吹き抜けを暖めるのは"大ごと"なので、エアコンだけをバッシングするのはフェアではない。それどころか、エアコンは「究極」の暖房器具なのである。

エアコンの短所と長所を「冷静」に比べてみよう(図1)。

図1 エアコンの長所・短所

図1 エアコンの長所・短所

短所1は、後述するようにエアコンは外気から熱を奪って室内に投入しているので、外気温度が低ければ熱が取りにくくなってしまうことだ。よって、暖房が一番必要な寒い日にパワーダウンしてしまう。

寒冷地ではこれが大きな問題なので、無理にエアコン暖房を選ぶ必要はない。木を燃やす薪やペレットストーブが良い選択肢になる。しかし、温暖地であればエアコンの電力消費量は目くじらを立てるほどではないし、最近の機種ではかなり改善が進んでいる。

短所2は、高い位置に設置されているため温風が床まで届かないことだ。これは本特集で何度も取り上げてきた欠点だが、冷房メーンとすれば上の方に置いた方が効率的だし、何より邪魔にならない。暖房についても断熱・気密を徹底して部屋を細かく間仕切れば、相当改善することができる。諦めるのはまだ早い。

短所3の空気が乾燥することは、ガスや石油ファンヒーターと比較した場合であるが、実は短所でもなんでもない。ガスや石油ファンヒーターで空気が乾燥しにくいのは、ガスや石油の「排気ガス」に水分が含まれているからにすぎない。エアコンは空気を循環させるだけで、空気を汚染することはまったくない。これは長所4の空気が汚れないことの裏返しなのである。

こうして見ると、エアコンの欠点は暖房としての「快適性」の部分に集中しており、それ以外では利点の方が多いことが分かる。通常は冷房のために付けるものだし、何よりエネルギー効率が非常に高い。その高性能の秘密を少し探ってみることにしよう。

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