熟して開眼、最年長初金星 大相撲・嘉風(上)

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2014/12/20 7:00
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力士は30歳ともなればベテランと呼ばれ、衰えを心配する声が聞こえてくるもの。だが、幕内では4番目の高齢となる32歳の嘉風は、今まさに脂が乗ってきたように見える。

目まぐるしく動き回る相撲は存在感を放つ

目まぐるしく動き回る相撲は存在感を放つ

2014年は飛躍の年だった。3月の春場所で2場所連続の10勝を挙げ、3度目の敢闘賞を受賞。5月の夏場所で晴れて新三役(小結)に昇進した。新入幕から所要49場所は史上4位のスロー昇進記録だ。さらに7月の名古屋場所では32歳3カ月27日で初金星。これは年6場所制(1958年以降)での最年長記録(当時)となった。

肉離れで途中休場も8日目から再出場

大分県佐伯市出身の嘉風にとって準ご当所となる11月の九州場所は、西前頭4枚目で臨んだものの、左脚太ももの肉離れで4日目から無念の途中休場。それでも土俵への思いが回復を助けたのか、8日目から再出場を果たした。黒星が続いたが「逆に楽に相撲が取れる」と開き直った11日目から4連勝と巻き返し、結果は4勝8敗3休。負け越しでも土俵上で粘り強さを示し、来場所につなげた。

充実の1年を振り返り、嘉風は「(今年は)三役になったことで、応援してくれている人に恩返しができたかな」と実感を込める。同じ幕内には40歳の旭天鵬という別格はいるが、このベテランもまだまだ健在ぶりをアピールする。

「挑戦者」に徹した時、めっぽう輝く

きっぷのいい力士だ。175センチ、142キロの体で所狭しと土俵を動き回る。幕内力士の平均身長と体重は185センチ、160キロ(秋場所時点)。大型化が進むなか、自分より大きな力士や上位陣に突き押しで真っ向勝負を挑んでは、スピード感あふれる果敢な攻め手で満座の観客を沸かせる。

「追われる者よりも、追う者の方が強いんじゃ」とは、故・菅原文太主演の映画『仁義なき戦い』の名セリフだが、嘉風の相撲人生とも重なる感がある。気持ちの上での「守り」は己の敵。実力が上の者にぶつかっていく「挑戦者」に徹した時にはめっぽう輝く。

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