2019年6月20日(木)

植物工場、期待の産業から もうかる産業へ
日経エコロジー編集部 半沢智

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2014/12/13 7:00
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光、温度、栄養素など植物に必要な環境を高度に制御する「植物工場」の運営に乗り出す企業が続々と登場している。富士通は半導体工場として稼働していた福島県の工場を改変し、5月からレタスの生産・販売を始めた。東芝もフロッピーディスクを生産していた神奈川県にある工場のクリーンルームを利用して10月からレタスの生産と販売に乗り出した。

■パナはシンガポール、シャープは中東… 海外展開も

スプレッドのレタス生産工場

スプレッドのレタス生産工場

海外展開を見据えた動きも始まっている。パナソニックは8月からシンガポールで現地の外食チェーン向けに植物工場産野菜の生産・販売を開始した。シャープはアラブ首長国連邦(UAE)でイチゴの生産に挑戦している。

これまで植物工場は、工場建設の設備投資が巨額になりがちで、室内での栽培ノウハウも未成熟だったこともあり、黒字化は困難だといわれてきた。ところが、ここへきて売り上げを拡大し急成長する事業者が出てきた。「1日1万株を安定生産・販売できれば黒字化できる」という採算性がみえてきた。

成長企業の代表が2007年創業のベンチャー企業スプレッド(京都市)だ。京都府亀岡市で、1日2万3000株という世界最大規模の植物工場を運営する。

同社は、野菜の流通業を手掛けるグループ会社の販路を生かし、亀岡工場で生産したレタス「ベジタス」を全国のスーパーや百貨店に供給している。08年に生産を始め、規模を年々拡大。13年度の売上高は7億6000万円で、創業以来初めて黒字を達成した。工場はフル稼働で、14年度は8億2000万円とさらなる売り上げ増を見込む。

1袋およそ100グラムの店頭価格は200円程度。一般的な露地栽培レタスが1玉100~130円程度であるのに比べると高めだが、「無農薬なので洗わずに食べられる」「露地物レタスと比べてビタミンAが豊富」といった特徴が受け入れられている。稲田信二社長は、「現在、生産量に対して5倍の受注がある。急激な需要増に生産が追いつかない」と、うれしい悲鳴を上げる。

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