2018年8月20日(月)

決済を握るのはだれか 米ネット金融革命前夜
アップルかウォルマートかVBか

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2014/12/11付
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 5億人のカード情報を抱える米アップルが決済サービスに参入した。「iPhone(アイフォーン)」は財布の機能まで持ち始めた。だが、それはこれから起こる技術革新の序章にすぎない。手数料や敷居の高さ、処理の遅さへの不満から、規制業種の金融産業を変えようとするベンチャーがシリコンバレーを中心に次々と現れ「革命前夜」の様相を呈してきた。

■「アップルペイお断り」 ウォルマートが対抗策

 「アップルペイお断り」――。アップルが決済サービス「アップルペイ」を開始してから2カ月弱。北米では早くもこれと火花を散らすライバルが登場した。世界最大の小売りチェーン、ウォルマート・ストアーズだ。

 同社が他の小売連合と組んで始めようとする「カレントC」は実証実験が最終段階だ。アップルは指紋と近距離通信による認証で、スマホをカード以上に安全な決済手段と位置づけ、金融機関から0.15%程度の手数料を取ることに成功した。だが、カレントCは、クレジット会社自体を外そうという試みだ。スマホの画面に表示したQRコードで本人確認し、支払いをする。支払額は客の登録口座からそのまま引き落とされる仕組みだ。

 だが米銀大手ウェルズ・ファーゴ幹部はこうした動きにも冷静だ。「アップルペイはあくまで一つの選択肢。安全性の高いカードを作るための投資は続ける」。その裏には、米国でカードを使う習慣が強く根付いており、そう簡単に変わらないとの読みがある。実際、アップルペイの利用状況も順調とは言えない。

 「多いときでもアップルペイを使うのは1割以下かな」(米薬局最大手ウォルグリーンのレジの店員)。調査会社インフォスカウトによれば、アップルペイを使える端末所有者のうち利用経験があるのは1割未満。年末商戦ピーク時の使用比率は5%弱にすぎない。

 初動のつまずきで、“カード派”ベンチャーが息を吹き返している。複数のクレジットカードの機能を一枚で代替できるカードを開発するコインだ。米ベンチャーファンド、トランスリンクキャピタルの支援を受け、端末の量産体制に入った。

 創業者のカニシク・パラシャー氏は「支払時に1回限りの暗号を導入するなど端末の安全性はさらに高められる。将来的には金融機関への技術供与も視野に入れている」と語る。

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