2019年7月17日(水)

インド発Firefoxスマホ 33ドル端末に見た驚きと限界
柏尾南壮 フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ ディレクター

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2014/12/25 7:00
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日経テクノロジーオンライン

 インドの携帯電話機メーカー、Intex Technologiesは2014年8月1日、オープンソースの「Firefox(ファイアーフォックス) OS」を搭載したスマートフォン(スマホ)「Intex Cloud FX」を発売した。価格は33米ドルと非常に安い。今回は、Intex Cloud FXの分解を通して、安さの秘密に迫る。

実は、Firefox OSを開発するNPO(非営利組織)の米Mozilla Foundation(モジラ)は、2014年2月にスペイン・バルセロナで開催された展示会「Mobile World Congress(MWC)2014」で、同OSを搭載したスマホを新興国向けに25米ドルで発売すると発表していた。

Intex Cloud FXはそれよりやや高い価格となったが、初代iPhone(2007年発売)の4Gバイトモデルの価格は499米ドルだったので、その約15分の1という水準である。

[左]Intex Cloud FXの外観
[右]Intex Cloud FXの背面に記載された情報

[左]Intex Cloud FXの外観
[右]Intex Cloud FXの背面に記載された情報

端末を起動すると「ブブッ」というバイブレーションとともに端末が起動する。ほどなく尻尾がボーっと炎上するキツネ(Firefox)が画面に表示される。米Apple(アップル)のiOSや米Google(グーグル)のAndroid(アンドロイド)といった従来のモバイルOSとの違いは、Webページの記述言語「HTML5」の技術をベースにしており、OS固有の専門知識や開発環境が不要なことだ。

しかし、採用端末は少ないため、スマホでの普及率は非常に低いレベルにとどまっている。

Intex Cloud FXを分解したところ。格安端末の代名詞であった抵抗膜方式に代わり、静電容量方式のタッチパネルが採用された

Intex Cloud FXを分解したところ。格安端末の代名詞であった抵抗膜方式に代わり、静電容量方式のタッチパネルが採用された

■33ドルは「無理をした価格」

Intex Cloud FXを分解する前に、使い心地を少し試してみた。過去に調査したこの低価格帯の端末は、「戻る」ボタンを押しても別のページにジャンプするなど「安かろう悪かろう」ばかりだった。しかし、この端末はきちんと動作する。静電容量方式のタッチパネルの反応にはひと呼吸分のズレが感じられる程度だ。

画面遷移も正常で滑らかだ。カメラも問題ない。通信規格は第2世代携帯電話(2G)のGSMのみの対応だが、30米ドル台ということを考えれば、抜群の完成度と言えるだろう。

[左]メーン基板のディスプレー側。基板の片面はディスプレースペース。部品はほとんど搭載されない
[右]メーン基板のバッテリー側。通信関係の大型部品は2つだけ。村田製作所と太陽誘電のフィルターも採用されている

[左]メーン基板のディスプレー側。基板の片面はディスプレースペース。部品はほとんど搭載されない
[右]メーン基板のバッテリー側。通信関係の大型部品は2つだけ。村田製作所と太陽誘電のフィルターも採用されている

組み立てや流通コストなどを考えると、33米ドルという小売り価格を実現するためには、部品の原価を20米ドル程度に切り詰める必要がある。

チップセットやディスプレー、メモリー、バッテリーなどには原価計算の指標となる数字がいくつか存在する。それらの数字を単純に足し合わせていくと、あっという間に20米ドルという予算をオーバーしてしまう。本機を構成する部品は大多数が安価な中国製だが、それでも価格面で相当無理をしているのは間違いない。

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