畜産廃水から発電しながらリンを回収、岐阜大学

2014/12/2付
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日経エレクトロニクス

岐阜大学流域圏科学研究センター准教授の廣岡佳弥子氏と特任助教の市橋修氏らの研究グループは2014年12月2日、同グループが開発した微生物燃料電池において、豚のふん尿などを含む畜産廃水から発電しつつ、リンを回収することに成功したことを明らかにした。

微生物燃料電池の仕組み

微生物燃料電池の仕組み

微生物燃料電池とは、「発電菌」と呼ばれる微生物が有機物を分解する際に生じる電子を利用するものである。廃水処理に適用した場合、廃水中から有機物を除去すると同時に電気エネルギーを回収できる。これに加えて岐阜大学の研究チームは、電極にリン付着させて回収することもできることを突き止めたという。この発見は、「世界初」(岐阜大学)だとする。

リンは農業の化学肥料の主成分として使われるほか、金属加工や食品添加物などさまざまな分野でも利用されている。数年前までは、経済的に採掘可能なリン鉱石は地球上から数十年程度で枯渇することが懸念されていた。最近の調査によって、新たなリン鉱石が発見され、当面の枯渇の心配はなくなったものの、枯渇の問題が完全に払拭されたわけではない。特に日本はほぼ全量を輸入に頼っており、必要量の安定確保や、価格交渉力の確保のために、リンのリサイクルは重要だとする。

また、リンは多くの廃水に大量に含まれており、処理せずに排出すると水域の富栄養化の原因になるので、廃水から除去することが求められてきた。今後は、10~20年後の実用化を目標に、微生物燃料電池の大型化やコスト削減を図りたいとしている。

(日経エレクトロニクス 根津禎)

[日経テクノロジーオンライン 2014年12月2日掲載]

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