2019年7月23日(火)

セコム、USBでネット不正送金防ぐ OS使わず

2014/12/3 7:00
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セコムはインターネットを経由した不正送金の被害を防ぐための消費者向けサービスを始めた。パソコンにセコムのUSBメモリーを差し込んで本人確認を実施、金融機関に確実に接続する。IDやパスワードをだまし取るフィッシングサイトへの接続を防ぐという。利用料は月500円。対策のしやすさを訴える。初年度に1万人の利用を見込んでいる。

本人認証の後、金融機関の正規サイトに接続する

本人認証の後、金融機関の正規サイトに接続する

情報セキュリティー対策の子会社、セコムトラストシステムズ(東京・渋谷)が手掛ける。名前は「セコムプレミアムネット」。ネット専用銀行のほか、都市銀行や地方銀行など、ほぼ全ての金融機関のネットバンキングを利用できる。

消費者はセコムと契約後に、同社が用意する専用のUSBメモリー端末を借りる。そのUSBメモリーの端末をパソコンを起動する前に差し込むだけ。使い方は簡単だ。

電源のスイッチを入れると、USBに搭載した基本ソフト(OS)が作動してセコムのサーバーに接続する。本人認証を終えると金融機関の正規サイトにつなぐ。ネット送金専用の画面で送金が完了した後は、USB端末を外して再びパソコンを起動する。

セコムの伊藤博社長は「パソコンがウイルスに感染したことに気付かなくても、不正送金は起きない」と胸を張る。USBはデータの読み出しはできるが、上書きはできない。パソコン内部のOSを使わずに送金する方法を開発して安全な取引を実現した。

不正送金を仕掛ける側もウイルス対策ソフトにパソコンへの感染を検知させずに不正送金するなど手口が巧妙になっているが、こうしたリスクも回避できるという。

セコムがネットの不正送金など情報セキュリティー対策に力を入れるのは、消費者の要望が高まっているためだ。警察庁によると、今年1~6月のネット不正送金による被害総額は18億円と、2013年の年間被害総額を既に超えた。消費者が消費財やサービスの購入にネットを利用することが増えており、被害も同様に急増している。

USBメモリーを差し込み電源を入れると専用の画面が立ち上がる

USBメモリーを差し込み電源を入れると専用の画面が立ち上がる

消費者が正常に送金を完了したと思い込ませ、裏では不正な金額が別の口座に振り込まれる被害も報告されている。「不正に振り込まれたお金を口座から一斉に引き出す組織犯罪も目立つ」(セコムの伊藤社長)

セコムは自社で巨大なデータセンターを保有しており、サーバーの数も容易に増やせることが強みだ。顧客の安心や安全を守るため、必要となる新サービスを提供することを経営方針に掲げる同社にとって「(データセンターは)サービスを確実かつ安定して提供するために必要であり、セコムの全ての事業を支える根幹になっている」と前田修司会長は語る。

セコムは13年、警視庁とサイバー犯罪の情報共有や、被害拡大を防ぐことで連携することを公表した。データセンターの活用でこうした対策が取りやすくなるという。

ネット不正送金のセキュリティー対策のサービスは消費者向けサービスに先行し、東北の金融機関2行が法人向けに送金するサービスでセコムのサービスを利用し始めた。今回、個人向けのサービスを始めて初年度に1万人の利用を目指す。

(後藤健)

〔日経MJ2014年12月3日付〕

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