2017年12月11日(月)

震度5強の白馬村に全壊多数集落、長野県神城断層地震

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2014/11/27付
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日経アーキテクチュア

 全壊した家屋の多くが、2階が落下し1階が押しつぶされていた――。2014年11月22日午後10時8分に発生した「長野県神城断層地震」では、長野県白馬村の一部の集落に住宅被害が集中した。

 記者は2014年11月24日に現地に入り、被害状況を取材した。震度5強の白馬村で、なぜ被害が集中したのか。現地の状況と専門家の見解を速報する。

 長野県の長野市と小谷(おたり)村、小川村で震度6弱、白馬村と信濃町で震度5強の揺れを観測した。気象庁によると、震源の深さは約5km、地震の規模を示すマグニチュードは6.7だった。

 長野県によると、11月25日午後5時時点で、県内の負傷者は45人(うち10人が重傷)。住宅被害は、全壊31棟(白馬村27棟、小谷村4棟)、半壊56棟(白馬村17棟、小谷村27棟、長野市12棟)、一部損壊は418棟。非住家の全壊、半壊は74棟(白馬村72棟、長野市2棟)だ。白馬村の建物被害が際立って多い。

[左]白馬村堀之内地区の被害状況。住宅の手前にある小屋がつぶれている。この地区では、柱が転倒し、屋根が落下する被害が多数見られた
[右]地震計(K-NET白馬)の設置状況。最大加速度589ガルを記録した。白馬村役場の敷地内に設置されている。周辺の建物には外観上、顕著な被害は見られなかった(写真:いずれも日経アーキテクチュア、以下同)

[左]白馬村堀之内地区の被害状況。住宅の手前にある小屋がつぶれている。この地区では、柱が転倒し、屋根が落下する被害が多数見られた
[右]地震計(K-NET白馬)の設置状況。最大加速度589ガルを記録した。白馬村役場の敷地内に設置されている。周辺の建物には外観上、顕著な被害は見られなかった(写真:いずれも日経アーキテクチュア、以下同)

 白馬村で被害が集中していたのは、白馬村役場から南に5kmほどの白馬村神城の堀之内地区と三日市場地区だ。堀之内地区は、姫川水系の谷地川沿いの小高い場所にある。

 緩傾斜の土地に形成された集落で、背後に約100mの高さの山がある。三日市場地区は堀之内地区から約500m南にあり、同様の地形に集落がある。

 堀之内地区に入ると、多数の住宅が倒壊している様子が目に飛び込んできた。1階が傾いて転倒している住宅が多い。道路の路面には、数多くのクラックが発生し、突き上げたり、開いたりしていた。被災建築物応急危険度判定の結果、「危険」という判定を示す赤紙が張られた建物が多い。

[左]堀之内地区の住宅被害。2階が落下し、1階が押しつぶされている
[右]こちらも堀之内地区の被害状況。倒壊した住宅が、道路をふさいでいる

[左]堀之内地区の住宅被害。2階が落下し、1階が押しつぶされている
[右]こちらも堀之内地区の被害状況。倒壊した住宅が、道路をふさいでいる

■避難場所の堀之内公民館も被災

 堀之内地区の中心部にある堀之内公民館は、今にも倒壊しそうな様子だった。建物のわきに避難場所の看板が掲げられていたが、隣接する建物が倒壊し、屋根が通路をふさいでいた。公民館の前に立っていた墓石はほとんどが転倒していた。転倒方向はまちまちだ。

[左]堀之内公民館の被害状況
[右]堀之内公民館の室内。柱は大きく傾いており、梁から外れている箇所がある。内装材も剥がれ落ちていた。天井に取り付けた照明もはずれ、ぶら下がっている。地震が起こった10時8分で時計が止まっている

[左]堀之内公民館の被害状況
[右]堀之内公民館の室内。柱は大きく傾いており、梁から外れている箇所がある。内装材も剥がれ落ちていた。天井に取り付けた照明もはずれ、ぶら下がっている。地震が起こった10時8分で時計が止まっている

 堀之内地区では、大きな建物はほとんどなく、築年数も古いものが多い。応急危険度判定は、地震発生翌日の11月23日に行われていた。安全であることを示す「調査済」の緑紙の張られた住宅は少ない。

 倒壊していない場合でも、応急危険度判定で「要注意」の黄紙が張られている建物が目立った。比較的新しい住宅では、窓ガラスが割れて地面に散乱する被害も見られた。サッシが大きくゆがんだ可能性がある。住民によると、地震発生時に、強い横揺れを感じたという。

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