2019年9月20日(金)

トヨタ、「ミライ」に透ける焦り 米国規制で揺らぐ立場

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2014/11/21 7:00
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■テスラからのクレジット購入を検討

ZEVのクレジット売買はエコカー市場の先行指標とも言える。ZEV車は渋滞を避けるために同州の高速道路に設けられた「カープールレーン」を優先して走れるため、ユーザーの関心も高い。プリウスの快走はカリフォルニア州から始まり、トヨタのエコカー戦略の基盤となった。その地で基盤が崩れる足音が聞こえ始めたのだ。

苦境に立たされたトヨタは様々な手を講じていく。ZEV規制の未達で罰金を払うのは、長年培ってきた環境ブランドを損なうため何としても避けたい。そのため、大量のクレジットを抱えるテスラからZEVクレジットを購入する検討に入った。

ちなみに、そのテスラはZEVを収益源としている。同社は2013年1~3月期に約6800万ドル(約80億円)のZEV排出枠を販売した。固定費がほとんどかからず大半が利益になり、テスラの四半期としての初の黒字化に寄与した。ZEV規制はニューヨークやメリーランドなど全米各州でも導入の動きがある。

■「ZEV規制対応の意味合いが強い」

トヨタがZEV規制対応の切り札として期待するのがミライだ。トヨタはテスラのようにEVの量販車を販売していないため、FCVに頼らざるを得ない。

プラグインハイブリッド車(PHV)もZEVの対象となるが、EVやFCVより1台当たりのクレジット獲得ポイントが少ない。米国におけるミライの販売目標を2017年末までに3000台以上と発表したのは、「ZEV規制対応の意味合いが強い」(トヨタ関係者)のだ。

トヨタはミライの発売を「変革への第一歩」と位置付けた。プリウスのような画期的な製品でイノベーションを主導する先進イメージを作り、ブランド価値を高める効果を狙う。しかし、実際にはZEV規制で苦境に立たされているトヨタは、FCVに「ZEV規制対応」という現実的な任務を課しており、販売増が急務となっている。

(日経エコロジー 大西孝弘)

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