2018年9月24日(月)

“ヒトは空を飛べる” 東大・ソニー・電通が挑む夢

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2014/11/14付
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 「人間の能力をどこまで拡張できるのか。ドローンを使えば、人類の夢だった空だって飛べる」。2020年の東京五輪・パラリンピックとその後を見据え、東京大学・本郷キャンパスから新しい挑戦が始まった。けん引役は人間とコンピューターのインターフェース研究の第一人者、暦本純一東大教授。ドローンとの一体化による「仮想飛行」の実現を目指し、ソニー、電通とタッグを組む。

 「えっ。このボールは地面に落ちないぞ」。本郷キャンパス付近の実験室。暦本氏が率いる研究チームが開発した「ホバーボール」は重力とは無関係のようだ。暦本氏がホバーボールを受け手とは違う方向に投げても、ボール自らが曲がって受け手に収まる。

暦本教授らが開発したホバーボール

暦本教授らが開発したホバーボール

■4枚の羽で自由自在

 その仕掛けはボールの中心部に搭載した4枚の羽を持つクアッドコプターで、実はドローンだ。例えば、ボールを投げる人が視線を送った相手に届けるという命令と、相手の位置を捕捉するシステムを組み込んでおけば、受け手が移動しても、ボールは地面に落ちずに受け手を追う仕組み。

 ボールを空中で静止させたり、空中で動くスピードをコントロールできたりする。暦本氏は「体力や運動能力の格差や障壁を取り除いて、幼い子供や高齢者、身体に障害を持つ人も楽しめるスポーツのインフラを作り出したい」と力を込める。

 スポーツをテーマとするだけに開発拠点は、東京五輪の旗振り役を務める電通傘下の電通国際情報サービス・オープンイノベーション研究所が8月に立ち上げた「スポーツ&ライフテクノロジーラボ実験スタジオ」。暦本氏はシニアリサーチフェローを務める。

 ホバーボールの中核となるクアッドコプターは暦本氏が副所長を務めるソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)が開発を担い、ボールや受け手の位置を認識する仕組みは東大の研究室が担当する。いわば、東大、ソニー、電通の合作だ。

 暦本氏の視線はさらに先。ドローンを活用して、人間が仮想的に空中を飛行する構想だ。最近、米国での展示会や会議で「テレプレゼンス・ロボット」を目にする機会が多い。視線の高さに大きなディスプレーとカメラがあり、車輪を備えて自ら移動可能なビデオ会議システムだ。

■ロボットが自分で判断

 ディスプレーには本人が登場して相手に話しかけ、カメラを通じて相手の表情や会話を受け取り会話する。展示会や会議に参加できない人がテレプレゼンス・ロボットを遠隔操作して出席する。その技術を応用することでドローンとの一体化を目指す。ロボットとの一体化はどう実現するのか。あるロボットと視野を共有し、自らの体のように遠隔操作することを「ジャックイン」というが、実は簡単ではない。

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