幸運・不運だった投手は 統計学的にプロ野球分析
編集委員 鉄村和之

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2014/11/12 7:00
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防御率とxFIPの差分
1能見(神)0.66
2メンドーサ(日)0.61
3中田(ソ)0.54
4石川(ヤ)0.52
5則本(楽)0.44


24モスコーソ(デ)-0.73
25菅野(巨)-0.77
26岩田(神)-0.82
27大野(中)-1.15
28山井(中)-1.16

(注)規定投球回以上、データスタジアム提供

もっと防御率が良くてもよかった能見

それではxFIPと実際の防御率を比べてみるとどうなるか。防御率からxFIPの値を差し引いたのが差分ランキングで、12球団で阪神の能見が0.66と最も大きかった。能見の場合、四死球率(9イニング当たりの四死球数)が2.71と抜群の制球力を誇ったことがxFIPの数値が良かった要因で、「xFIPの数値から考えると、能見はもっと防御率が良くてもよかった。比較的不運だった投手といえる」と佐々木さん。

逆にxFIPよりも防御率が大幅に良かったのは大野、山井の中日勢。広いナゴヤドームを本拠とするだけに、防御率については有利に働くといえるかもしれない。

データスタジアムでは1試合ごとに「Game Score」という数値も取っている。投手の場合、(1)50ポイントからスタート(2)アウトを1つ取ると1ポイント(3)五回からは1イニング投げ終えるごとに2ポイント(4)奪三振1つごとに1ポイント(5)安打を1本浴びるごとに2ポイント減点(6)自責点1点ごとに4ポイント減点(7)自責点以外の失点は1点ごとに2ポイント減点(8)四死球1つごとに1ポイント減点――といった具合に算出される。

14年の先発投手のLuckランキング
GSc
GSc
Luck
1メンドーサ(日)7139.99.1-6.85
2能見(神)9139.98.7-5.20
3辛島(楽)8138.69.4-4.28
4前田健(広)11912.97.1-3.83
5内海(巨)798.66.9-3.73
6涌井(ロ)8128.59.4-3.07
7岩田(神)989.96.2-2.79
8メッセンジャー(神)131014.28.7-2.57
9牧田(西)899.68.9-1.69
10ディクソン(オ)9109.89.2-1.68


25井納(デ)1197.99.63.62
26中田(ソ)1179.19.14.02
27久保(デ)12610.79.34.58
28山井(中)13510.88.55.63

(注)規定投球回以上、データスタジアム提供

50~52点ぐらいが一つのラインで、それ以上の成績を残すと「先発の役割は果たしたといえる」と佐々木さんはいう。このGame Scoreからみて、勝っていても不思議ではなかったと考えられる試合を「GSc勝」、負けていてもおかしくなかった場合を「GSc負」と名付けるとする。

今季最も「運なし」はメンドーサ?

実際の白星からGSc勝を引いた数値と、GSc負から実際の黒星を引いた数値を足したものがLuckで、今季このマイナスが最も大きかったのが日本ハムのメンドーサだ。7勝13敗に終わったものの、Game Scoreの年間トータルでは10勝9敗ぐらいの成績を残してもおかしくなかったと考えられ、「今年最も運のなかった投手といえそう」と佐々木さん。

2番目にマイナスが大きかったのが能見で、実際の成績は9勝13敗だったが、10勝9敗ぐらいでも不思議ではなかったといえそうだ。

逆に、13勝5敗でセ最多勝に輝いた中日の山井は、Game Score上は11勝9敗ぐらいでもおかしくなく、打線の援護に恵まれるなどして「今年最も幸運だった投手」といえるかもしれない。

今年、幸運または不運だったからといって、それがいつまでも続くわけではない。各投手は来季どんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。

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