2018年11月20日(火)

幸運・不運だった投手は 統計学的にプロ野球分析
編集委員 鉄村和之

(2/3ページ)
2014/11/12 7:00
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14年の防御率ベスト10
セ・リーグ防御率パ・リーグ防御率
1菅野(巨)2.33金子(オ)1.98
2岩田(神)2.54岸(西)2.51
3前田健(広)2.60大谷(日)2.61
4大野(中)2.89則本(楽)3.02
5杉内(巨)3.16西(オ)3.29
6内海(巨)3.17スタンリッジ(ソ)3.30
7メッセンジャー(神)3.20ディクソン(オ)3.33
8山井(中)3.21石川(ロ)3.43
9久保(デ)3.33牧田(西)3.74
10モスコーソ(デ)3.39辛島(楽)3.79

(注)規定投球回以上

14年のxFIPベスト10
セ・リーグxFIPパ・リーグxFIP
1メッセンジャー(神)2.96金子(オ)2.38
2菅野(巨)3.09則本(楽)2.58
3前田健(広)3.13大谷(日)2.59
4能見(神)3.33岸(西)3.19
5岩田(神)3.36西(オ)3.23
6杉内(巨)3.43メンドーサ(日)3.28
7藤浪(神)3.44ディクソン(オ)3.305
8内海(巨)3.57石川(ロ)3.308
9大瀬良(広)3.71スタンリッジ(ソ)3.56
10久保(デ)3.98辛島(楽)3.64

(注)規定投球回以上、データスタジアム提供


このxFIPと防御率のベスト10を見比べてみると、パはどちらもオリックスの金子が1位となっているが、セは防御率7位だった阪神のメッセンジャーがxFIPでは1位となった。これはメッセンジャーがセ最多の226三振を奪っているから。個人の力だけでアウトを取れる三振を重視するxFIPでは、奪三振率(9イニング当たりの三振数)の高い投手が上位にランクされやすい傾向がある。

防御率が11位でベスト10の圏外だった藤浪が、xFIPでは7位にランクされているのがその好例。藤浪の奪三振数はセ2位の172個で、奪三振率は両リーグで大谷(10.37)、メッセンジャー(9.76)に次ぐ9.50。昨季の8.24と比べ、9イニング当たり1個以上奪三振が増えている。

過去10年のシーズン
平均球速(直球)ベスト10
平均球速
1大谷(日)152.514
2藤浪(神)149.714
3ダルビッシュ(日)149.411
4由規(ヤ)149.310
5寺原(横)147.607
6新垣(ソ)147.42306
7田中(楽)147.42213
8ダルビッシュ(日)147.308
9松坂(西)147.005
10メッセンジャー(神)146.914

(注)所属は当時、データスタジアム提供

この奪三振率と直球の平均球速に比較的強い相関関係があることはよく知られている。佐々木さんがシーズンを通した直球の平均球速をはじき出し、過去10年の投手ランクを作成したところ驚くような結果が出たという。

大谷と藤浪、平均球速が3キロアップ

なんと大谷が152.5キロで過去10年の投手の中でトップ、藤浪が149.7キロで2位だった。大リーグに移籍したダルビッシュ(日本ハム→レンジャーズ)、田中(楽天→ヤンキース)より2人の方が速かったのだ。10月5日の楽天戦で日本人最速の162キロをマークした大谷の快速球は今年大いにクローズアップされたが、「藤浪も破格のスピードボールを投げていた」と佐々木さんは語る。

昨年の平均球速は大谷149.4キロ、藤浪146.3キロで、2人とも3キロ以上、直球が速くなっている。「先発から救援に転向して短いイニングを全力でいけるようになった投手ではたまにあるが、先発という役割は変わらないのに1年間で3キロも速くなるのは考えられないような数値」と佐々木さん。2キロ上昇でさえ驚きなのに、3キロアップは異例中の異例という。大谷と藤浪が示したプロ2年目の確かな成長は、こんな数字も裏付けている。

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