2018年10月18日(木)

米アマゾンがほれ込んだ スイスのドローン魔術師
ロボット自在に操る工科大教授

(1/4ページ)
2014/11/11付
保存
共有
印刷
その他

 スイス連邦工科大学(ETH)チューリヒ校。ここに世界が注目するロボット研究者がいる。ラファエロ・ダンドレア氏(47)。米アマゾン・ドット・コムが買収したロボットベンチャーの共同創業者。現在はドローン(無人飛行機)を含むロボットなど高性能マシンを研究する。彼の研究所で、その大きな可能性の片りんを見た。

■キャッチボールや編隊飛行

4つのプロペラでホバリングしていたドローンは、甲高いプロペラ音を響かせながら記者が放り投げたボールの落下点に先回り。備え付けられたラケットで記者の手元に正確にボールを跳ね返してきた。まるで生きているかのように飛び回る。「これはすごい」。思わず声が漏れた。

記者歴14年。うち4年はハイテクの聖地シリコンバレーで取材した。世界の最先端技術をいろいろと見てきたつもりだったが驚きを隠せなかった。「心配いらない。ここに来る人はこの分野の専門家でも同じリアクションをするよ」。技術デモを担当してくれた、ダンドレア氏と共に研究を進めるロビン・リッツ氏に慰められた。

自らバランスを取って棒を立てながらホバリングするドローン

自らバランスを取って棒を立てながらホバリングするドローン

スイス・チューリヒの街並みを見下ろす小高い丘にあるETHチューリヒ校。ダンドレア教授の「城」はここにある。「フライング・マシン・アリーナ」と呼ばれる施設の大きさは縦横高さそれぞれ約10メートル。ドローンが壁に接触しても壊れないようカーテンで覆われ、床にはクッションが敷き詰められている。そこで繰り広げられたデモは、どれも魔法のようだった。

ドローンが上部に長さ1メートル程度の棒を立て、倒れないように前後左右に素早く微調整しつつ、リッツ氏が手に持つ杖の動き通りにあわせて飛び回る。人が手のひらに棒を立ててバランスを取るのと同じ動きをドローンが空中でこなす。

ドローン3機が網を引っ張り上げてボールを投げ上げる。3機が素早く連動してボールの落下点に移動、網の中央でボールを受け止める。こちらは人間がやっても難しそう。しかも「何回も繰り返すことで精度が高まるよう設計されている」(リッツ氏)という。

▼ドローンとは 英語の「雄ミツバチ」から転じて無人飛行機を指す。軍需用途が先行していたが、電池やセンサーなどの低コスト化で民需向けの新市場拡大が期待されている。カメラや各種センサーを搭載でき、多様な活用方法がある。米グーグルなどがドローンを使った宅配システムの研究を進めている。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報