エバーノート・日経、資本・業務提携
日本経済新聞社とクラウドサービス大手の米エバーノート(カリフォルニア州)は10日、資本・業務提携することで基本合意した。日経はエバーノートに2000万ドル(約23億円)出資し、2015年初めから日経電子版とエバーノートのサービスを連携させる。両社の有料会員を対象に、双方のサービスを仕事に使う際の利便性を高め、事業拡大につなげる。
エバーノートはインターネット上に文書や写真などを保存・共有するクラウドサービスを手掛けている。今回の提携により、エバーノートの利用者が文書を作成する際、内容に応じて関連する日経電子版の記事を自動配信するほか、日経電子版の読者が記事を閲覧する際には、エバーノートで過去に作りためた文書から、記事の内容に関連する情報や名刺などを検索無しで表示する。

都内で10日に開いた発表会でエバーノートのフィル・リービン最高経営責任者(CEO)は「ビジネス、技術、投資についての信頼できる情報を提供している日経と組んだ」と強調。日経の野村裕知常務は「ビジネスパーソンを応援する点で両社は考えが共通する。両社の連携によって働き方が一新されるようなサービスを作りたい」と述べた。
基本的なサービスの利用には、エバーノートの有料会員で、かつ、日経電子版の有料会員である必要がある。
エバーノートは10月、米メディア大手ダウ・ジョーンズと自動配信サービスで提携している。エバーノートが米国外のメディアと自動配信で提携するのは初めて。記事に関連した文書の自動表示機能で提携するのは世界で初めてとなる。
エバーノートの利用者は無料会員を含めると全世界で1億人以上、日本では約800万人を有する。日経電子版の会員は有料会員約38万人を含めて約250万人。連携サービスはいずれも有料会員が対象となるため、今後、日経とエバーノートは日本国内で有料会員を増やすための販売促進活動でも協力する。