人工知能が好みを判断 「専属スタイリスト」アプリ

2014/11/7付
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ITpro

ファッションセンスを学習する人工知能を備えたiOSアプリ「SENSY」

ファッションセンスを学習する人工知能を備えたiOSアプリ「SENSY」

IT(情報技術)ベンチャーのカラフル・ボードは2014年11月7日、利用者のファッションセンスを学習できる人工知能を搭載したiOS対応アプリ「SENSY」を公開した。色やブランドなど利用者の好みを学習させることで、国内外のブランドから好みに合った商品を自動的にレコメンドする。今後半年で、10万ダウンロードを目指す。

「世界中で販売される膨大なファッション商品から、自分のセンスに合った商品を効率よく探してくれる『専属スタイリスト』の実現を目指した」。今回のアプリ開発の狙いについて、カラフル・ボードの渡辺祐樹CEO(最高経営責任者)はこう説明する。

この人工知能はディープラーニング(多段ニューラルネットワークを使った機械学習)を応用したもので、同社と慶応義塾大学、千葉大学が共同で開発した。価格、ブランド、色、柄といった属性情報に基づき、利用者のセンスに合致するかどうかを数値で評価する。

渡辺氏は「(米アマゾン・ドット・コムなどが採用する)協調フィルタリング型のレコメンドエンジンは、多品種少量で販売サイクルが短いファッション商品には向かない」と主張する。協調フィルタリングは一般に、販売実績などの統計情報に基づき、好みの相関を抽出する。このため、ニッチ商品や販売間もない商品では相関を抽出できず、効果を発揮しにくい課題があった。

カラフル・ボードは、アフィリエイト契約を結んだファッション系EC(電子商取引)サイトをから、画像を含めた商品データを収集。ブランドや価格、画像解析に基づく色空間や柄といったタグ情報を取得し、データベース化している。この情報を使うことで、ニッチ商品や販売開始から間もない商品でも、利用者の好みに合っているかどうかを推定できる。

例えば色空間では、人工知能が暖色、寒色、パステル調といった区分けを自動的に行い、似た色調の商品を「好み」だと判断する。「例えば白系が好みだと、黒系も好きだろうと判断する傾向がある」(渡辺CEO)。ブランド情報からはファッションのテイストを判別し、テイストが似ているブランドの製品を薦める。

カラフル・ボードは2011年創業。これまでは、企業とデザイナーをマッチングさせるクラウドソーシング型デザイン企画を手がけていた。同社はSENSYを、デザイン企画に続く新たな事業の柱にする考え。アプリを無償で配布し、商品のレコメンドでアフィリエイト収入を得るほか、人気スタイリストのセンスを学習させた人工知能が利用できる有償サービスの提供、人工知能を応用したレコメンドエンジンのECサイトへの提供を計画している。既に大手ECサイトで実証実験を行っているという。

(日経コンピュータ 浅川直輝)

[ITpro 2014年11月7日掲載]

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