2018年11月17日(土)

トヨタ ハイブリッド車、耐久レースで走りに磨き
編集委員 大西康之

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2014/11/11 7:00
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 10月12日と11月2日に日本、中国で相次ぎ行われたWEC(世界耐久選手権)で、トヨタ自動車はライバルの独アウディを抑え2連勝した。米テスラ・モーターズや独BMWがスポーツタイプの電気自動車(EV)を投入するなどエコカー市場の開発競争のテーマは燃費から「燃費+走り」と新たな段階に入っている。その中でトヨタはWECを舞台に速くて強いハイブリッド車の開発を目指す。

■ハイブリッド活用 1000馬力の圧倒的パワー

トヨタの新型車「TS040ハイブリッド」

トヨタの新型車「TS040ハイブリッド」

「ラッキーはいらない。アンラッキーがなければ」。10月12日、富士スピードウェイで行われた第5戦のスタート前、パドックでマシンの仕上がりを確認していたトヨタ・レーシングの木下美明チーム代表は何度もこう繰り返した。

今シーズン、トヨタ・レーシングがWECに投入した新型車「TS040ハイブリッド」は、その性能でライバルを大きく上回っている。前年のマシンに比べ燃費は25%向上した。ハイブリッド・システムと高熱効率エンジンの組み合わせで1000馬力という圧倒的なパワーを手にした。空力性能も大幅に向上し、シーズン開幕から予選のラップタイムではライバルを1秒近く引き離すこともあった。

しかし耐久レースの結果はマシンの性能だけでは決まらない。ドライバーの腕、タイヤ交換、修理などをスムーズに行うピットクルーのチームワーク、レース展開や路面状況に合わせてタイヤ交換や給油のタイミングを指示するベンチワークなど様々な要素が絡み合う。

開幕から2連勝で臨んだ第3戦、シーズン最大のヤマ場であるフランス「ル・マン24時間レース」で、トヨタは途中まで先頭を独走していたが、残りのところでマシントラブルに見舞われた。第4戦の「オースチン」も天候の激変に対応しきれず優勝を逃した。木下が「アンラッキーさえなければ」と祈ったのは、こうした事情があるからだ。

2連勝の後の2連敗。嫌な流れで迎えた第5戦は、何が何でも勝たなくてはならない「ホーム」での戦いである。「あそこに日の丸を揚げますよ」。「TS040」の開発を主導した村田久武ハイブリッド・プロジェクトリーダーはレース前、国旗掲揚ポールの真ん中を指さした。準備は万端だったからだ。

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