2019年5月21日(火)

「獺祭」と富士通がコラボ 酒米不足に挑む

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2014/11/9 7:00
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 日本酒「獺祭(だっさい)」を製造、販売する旭酒造(山口県岩国市)が富士通のICT(情報通信技術)を活用した酒米「山田錦」の安定調達プロジェクトに乗り出した。背景にあるのは酒米不足。造れば売れるのに造れない状況が続いていたのだ。これまで縁遠い存在だった農業とICTのコラボは酒造りの「救世主」となるのか。新米の仕込みが始まった酒蔵を訪ねた。

「獺祭」の酒蔵へ

山口県岩国市の中心部から車で40分ほど。旭酒造は山里深い地にある造り酒屋だ。酒蔵では収穫されたばかりの山田錦を使って、「獺祭」の仕込みが始まっていた。

店頭では品薄状態が続く「獺祭(だっさい)」

店頭では品薄状態が続く「獺祭(だっさい)」

獺祭はコメと米麹(こめこうじ)、水だけで造る「純米大吟醸」だ。その味が評価され、店頭では品薄状態が続いている。さらに海外展開も積極的に手掛ける。

約30年前に酒蔵を引き継いだ桜井博志社長は「あまりにも経営状況が悪すぎて杜氏(とうじ)に逃げられた」と振り返る。当時、売上高は1億円に満たなかったが、2014年9月期には約46億円にまで伸びた。

杜氏がいない旭酒造では温度管理や仕込みのタイミングなどのデータを蓄積し、酒造りにいかしてきた。データを活用して通年で酒造りができる体制も整え、業績向上につなげてきた。

売れるのに造れない

同社は受注状況から強気の需要見通しを立てている。「この1年で30億円くらいの売り上げを逃したのではないか」と桜井社長は残念がる。

獺祭に使われる酒米は「山田錦」だけだ

獺祭に使われる酒米は「山田錦」だけだ

造りたくても造れなかった原因は原料となる山田錦を十分に確保できなかったから。獺祭が使う酒米は山田錦だけだが、山田錦は栽培が特に難しい品種の一つとされている。

背丈が伸びやすく、倒伏前に刈り取るタイミングの見極めなどが必要という。さらに生産者が限られていることや、酒米が13年度まで生産調整の対象だったこともあり「もっと欲しいと言っても、仕入れを増やすことがすぐにはできない状況だった」(同)。

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