イチロー フィールド

フォローする

イチローの打撃、データをたどり見えてきたもの
スポーツライター 丹羽政善

(1/3ページ)
2014/11/3 7:00
保存
共有
印刷
その他

今年のイチローの打率は2割8分4厘。初めて3割をきった2011年以降では、わずかとはいえ、一番良かった。ただ、安打数は102本。打席に立ったのは385回。ピークだったころと比べれば、いずれも半分程度。出場試合数は143試合だが、そのギャップに起用のされ方が透けてみえる。打率そのものは昨年と比べれば2分2厘の上昇。背景には「BABIP」の回復が考えられる。

メジャーの打者で最も不運?

BABIPとは「(安打-本塁打)÷(打数-三振-本塁打+犠飛)」という式で求められ、本塁打を除くフェアグラウンドに飛んだ打球がヒットになった割合を示す。相手の守備力や運、不運に左右されるともいわれ、データ研究の専門家の間でも評価が分かれるが、イチローの場合、コンタクトし、打球を前に飛ばすことで可能性を求めていくタイプ。過去、この数字が高いと、打率も高くなるという連動性があった。

イチローの打率とBABIP
 打 率BABIP
2001年.350.369
02年.321.344
03年.312.333
04年.372.399
05年.303.316
06年.322.348
07年.351.389
08年.310.334
09年.352.384
10年.315.353
11年.272.295
12年.283.300
13年.262.285
14年.284.346

打率が3割をきった11年には、初めてBABIPも3割を下回り、様々な分析の中で出てきたのは、極端な「不運説」。あのとき、メジャーの約半数の球団にデータを提供し、セイバーメトリックスの祖であるビル・ジェームスがコンサルタントを務める「ベースボール・インフォ・ソルーションズ」が、イチローはメジャーの打者の中で最も不運を受けている、というデータを公表した。

そのときの記事によれば、11年シーズンの8月24日時点で、イチローは31本のヒットを好守によって阻まれ、そのうちの11本がアウトになる確率が15%以下の"超"ファインプレーだったそうだ。その時点で31本はリーグトップ。2位は28本、3位は27本、4位は26本。規定打席に達している選手の平均は16本だったというから、そこにイチローの不振の原因があるとした。

ただ、「ベースボール・インフォ・ソルーションズ」にそれ以前の数字を調べてもらうと、10年は33本、09年は29本だった。その2年間はそれだけのロスがありながら、それまでと変わらない結果を残していたのだから、11年だけが特別不運だったとはいえなくなった。つまりは、他にも要因があったと考えるべきで、決して一過性の不運ではなかったと言える。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

大リーグコラム

関連キーワード

電子版トップスポーツトップ

イチロー フィールド 一覧

フォローする
引退記者会見で話すマリナーズのイチロー(東京都内のホテル)=共同共同

 2019年3月21日、午後11時55分から始まり、日をまたいで、午前1時20分頃まで続いた引退記者会見。テレビで生中継もされたので、深夜とはいえ多くの人が見たようだが、おそらく、ああいった形でイチロ …続き (11/25)

イチローウイークエンドで配られたイチロー人形

 9月14日午後5時49分、ホームの白いユニホームをまとったイチローが一塁側のダグアウトから姿を見せると、球場全体が大きな歓声に包まれた。
 2分後、ダグアウトに控えていたチームメイトらが全員出てきて、 …続き (9/16)

試合に備えた全体練習が始まる前、バットを手にゴードンと話すイチロー(右)

 ユニホームのパンツ、紺のアンダーシャツ姿のイチロー(マリナーズ会長付特別補佐)が、グローブを持ってフィールドに出てくるのは通常、午後1時半すぎ。客席には人ひとりおらず、売店の店員らがぽつりぽつりと姿 …続き (8/5)

ハイライト・スポーツ

[PR]