複数アプリ、横串でつなぐ KDDI連合起爆剤に (徳力基彦)

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2014/10/31 7:00
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その隙間をうまく突いて伸びているのがスマホアプリであり、今回のKDDIの新プロジェクトはその可能性にかけた取り組みともいえる。ポータルの仕組みが構築しにくく、アプリが機能別に分断されたことで戦国時代が続いてきた。だが、今回の発表は、その時代が終わるきっかけになるかもしれない。

 とくりき・もとひこ 名大法卒。NTTを経て06年アジャイルメディア・ネットワーク設立に参画、09年社長。14年3月から取締役最高マーケティング責任者(CMO)。

とくりき・もとひこ 名大法卒。NTTを経て06年アジャイルメディア・ネットワーク設立に参画、09年社長。14年3月から取締役最高マーケティング責任者(CMO)。

シンドットアライアンスでは参加する12社のアプリに「サイドメニュー」と呼ばれる共通メニューが実装され、それを使って各サービス間を間断なく行き来できるようになるという。メニューに表示される広告の収入を分配するビジネスモデルが軸となるようだ。

これまで個別アプリで独立的に利用者を集めていたサービスを連携させて、KDDIを軸とした大きな連携サービスを提示することができるわけだ。当然、利用者の属性もバラバラなサービスを統合して統一感が出るのかという批判もあるし、12社が今後足並みをそろえていけるかどうかに懐疑的な意見もある。

だが、今後は同様の取り組みが大手各社で加速する点は疑いがないだろう。複数アプリを横串でつなぐ試みは、グーグルやヤフー、LINEのような大量の利用者がいるアプリを複数持っている事業者も進めている。今回の例を参考に同様の仕組みを強化するだろう。

KDDIに対抗して、ライバルのNTTドコモやソフトバンクが類似のアライアンスを模索する可能性もある。それにより、今回のKDDI連合に入らなかった会社の勧誘や買収に発展する可能性も小さくない。

現在のアラカルト方式でアプリを選択するスマホの仕組みも、初期に米アップルが確立したインターフェースのままイノベーションが止まっているという議論もある。アプリ間の相互連携を強める「スマホの覇権争い」は、シンドットアライアンス始動をきっかけに激しさを増すだろう。

今回のシンドットアライアンスが、日本におけるスマホアプリの大手への集約を加速させる引き金になったと振り返る日が来るかもしれない。

(アジャイルメディア・ネットワーク取締役)

〔日経MJ2014年10月31日付〕

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