2019年5月25日(土)

短期国債の札割れで高まった「量」の壁

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2014/10/30付
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短期国債が頻繁にマイナス金利で取引されるようになり、日銀の金融緩和の要であるマネタリーベース(資金供給量)の拡大を不安視する見方が浮かんでいる。市場に流通する短期国債はかなり減っているとされ、17日には日銀の買い入れ予定が未達に終わる「札割れ」が発生した。

「短期国債をどうしても手放さない人がいます」と日銀の関係者は打ち明ける。17日に発生した札割れはその象徴だ。どれほど高い値段でも日銀が国債を買ってくれる状況だったが、3兆円の買い入れ枠に対して2兆6220億円しか応札がなかった。いくらお金を積まれても売らないという状況を意味する。

「手放さない人」の1つは銀行のもようだ。銀行は日銀の金融調節や金融派生商品の取引の際、担保として一定量の国債を保有する必要がある。これまでは日銀が国債買い入れを進める中、売却に応じる銀行も多かったが、この担保の下限が近づいており、金利度外視で保有する動きが一部で出ているようだ。

加えて海外投資家の動きもある。欧州の金融緩和が強まっている結果、為替の先物取引を組み合わせれば日本でマイナス金利であっても利益が生じる状況になっている。彼らは日本のマイナス金利の幅が悪化すれば、売却する可能性もあるが、足元では売却ニーズは乏しいという。

日銀はマネタリーベースを年60兆~70兆円増やすことを目標に掲げている。このうち長期国債が50兆円を占めるが、残りの10兆~20兆円の大半はこれまで短期国債で埋められてきた。それがお金をいくら積んでも買い取れない事態となり、調整弁としての役割が揺らぎつつある。

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