湖池屋、交流サイトで販促 購買意欲高める

2014/10/29 7:00
保存
共有
印刷
その他

フレンテ傘下のスナック菓子大手、湖池屋(東京・板橋)が交流サイト(SNS)や動画投稿サイトを使った販促に力を入れている。消費者と意見が交わせるSNSで消費者の意見を直接吸い上げ、商品開発に生かしながら商品の良さも発信してもらおうとの狙いだ。

「今までの商品と何が違うのか。商品の特徴が理解されないと購入に結びつかないのでは」

ユニークな動画は交流サイトで話題を集めた

ユニークな動画は交流サイトで話題を集めた

今年2月、ポテトチップスの新商品「頑固あげポテト」(店頭想定価格は145円前後)の販売促進策を話し合う中、消費者にどう情報を伝えるかが課題となっていた。職人が手作業で揚げていた創業当時の味を再現しようと開発した頑固あげポテトは、低温でじっくり揚げる釜揚げ製法を採用、カリッとした堅い食感が特徴だ。

湖池屋は2009年にも同じ製法で作った「プレミアムのり塩」を発売したが、定着せずに販売終了となった。商品の特徴が消費者に理解されなかったためだ。その反省から、SNSや動画投稿サイトで開発の背景や製法のポイントをアピールすることにした。

自社ウェブサイトに専用ページを設け、特徴や歴史などを写真付きで詳しく紹介。商品名にちなんだ頑固おやじ「釜田揚太郎」をメーンキャラクターに据え、釜田揚太郎が消費者の質問に答える動画「頑固あげ相談室」の公開を始めた。

「女性とうまく話せません。どうしたらうまく話せるでしょうか」「目で語れ」

「世界一強い動物は何ですか」「カミさんだ。嫁とも言う」

頑固おやじが真顔でユニークに回答する面白さがフェイスブックやツイッターで話題となった。

あわせてスナック菓子を詰めた一斗缶が合計1千人に当たるキャンペーンも実施。同社のウェブキャンペーンでは過去最大の約27万人から応募があった。頑固あげポテトは発売4カ月で出荷個数が1千万袋に達し、売り上げ計画比1.6倍超で好調に推移している。

スナック菓子を詰めた一斗缶が当たるキャンペーン応募者数は過去最大規模に

スナック菓子を詰めた一斗缶が当たるキャンペーン応募者数は過去最大規模に

同社は主力ブランドの「コイケヤポテトチップス」が発売50周年となった12年に広報部門とマーケティング部門を統合。コーポレートブランディングから商品ごとにアピールする販促へのシフトを進めた。一方的な情報発信には限界があると考え、ウェブを活用した販促にも力を入れ始めた。

13年にはファンサービスも兼ねて「コイケヤおやつ開発部」を発足。ウェブで消費者を集め、グループ形式のミーティングを開き、意見を商品開発に役立てる。これまで3回開き、「カラムーチョ」などに役立てた。

一方、フェイスブックで「湖池屋公式ファンページ」、ツイッターではコイケヤポテトチップスのキャラクター「ムッシュ・コイケヤ」の名で公式アカウントを持つ。寄せられたコメントにはできるだけ答える。「距離の近さを感じてもらえば商品に対しても愛着を持ってもらいやすい」と、マーケティング部広報課の小幡和哉氏は言う。

今年7月にゲーム開発などを手掛けるドリコム(東京・目黒)と組み、スマートフォン(スマホ)ゲームの「フライングガチャ」を利用したキャンペーンを食品業界で初めて実施。専用サイトで期間内に無料ガチャを引くと、液晶テレビや高級掃除機などの応募券がもらえる。ツイッターに商品名などを投稿すれば引く回数が増える設定で、口コミの拡散効果も狙った。ガチャの回転数は138万回を記録した。

小幡氏はウェブの販促活用について「まだまだ手探りの段階。多様化する交流ツールを活用しつつ、消費者との距離を縮めて購買につなげたい」と意気込んでいる。(鷹巣有希)

〔日経MJ2014年10月29日付〕

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]