10年超の給湯器は要注意 火災などの事故も

2014/10/24付
保存
共有
印刷
その他

日経ものづくり

製品評価技術基盤技術機構(NITE)は、石油給湯器や屋内式ガス瞬間湯沸かし器など「長期使用製品安全点検制度」の対象製品における経年劣化による事故について公表した。2009~2013の5年間にNITEに届け出があった同制度の対象品目の事故は94件。そのほとんどが使用開始から10年以上経過した製品で発生しており、特に14年以上経過すると事故が増えていた。

使用期間別の事故発生件数

使用期間別の事故発生件数

対象製品は石油機器やガス機器が多く、秋から冬にかけて事故発生件数が増える。事故は物的被害がほとんど(人的被害は2件の軽傷のみ)だが、発火や焼損を伴うことから住宅火災や一酸化炭素中毒などの大きな事故につながる可能性もあるとして、NITEでは定期的な点検をするよう注意を呼びかけている。

長期使用製品安全点検制度は、特定の品目(特定保守製品)について使用開始時に所有者が製造・輸入事業者に対して所有者情報を登録することを促すもので、2009年4月から始まった。

事業者は所有者情報に基づいて所定の使用年数(設計標準使用期間)を過ぎた製品の所有者に点検を促す通知を行ったり、リコール情報などの製品の安全に関わる情報を送付したりして経年劣化による事故を防ぐ。

[左]実際の事故で焼損した石油給湯器
[右]NITEによる再現実験で焼損したビルトイン式食器洗機。ドアのヒンジ部の下の電力線を断線によりショートさせた

[左]実際の事故で焼損した石油給湯器
[右]NITEによる再現実験で焼損したビルトイン式食器洗機。ドアのヒンジ部の下の電力線を断線によりショートさせた

対象となるのは、都市ガス/LPガス用屋内式ガス瞬間湯沸かし器、都市ガス/LPガス用屋内式ガスふろがま、石油給湯機、石油ふろがま、密閉燃焼式石油温風暖房機、ビルトイン式電気食器洗機、浴室用電気乾燥機の9品目で、暖房器具や給湯器など熱を伴う住設機器が中心。設計標準使用期間は、製品ごとに異なるが10年程度のものが多いという。

94件中もっとも事故が多かったのは石油給湯器の52件で、全事故の半分以上に上る。次いで、屋内式ガス瞬間湯沸かし器が16件、屋内式ガスふろがまが9件、ビルトイン式電気食器洗機が8件などとなっている。

石油給湯器や屋内式ガス瞬間湯沸かし器では、Oリングの劣化が事故原因となることが多い。例えば、2011年には石油給湯器内の燃料調整用電磁バルブのOリングが劣化して硬化・収縮し、燃料が漏れて引火・焼損するという事故が起こっている。

事故を起こした製品は使用開始から12年経過していた。ビルトイン式電気食器洗機では、ドアの開閉に伴う電気配線の断線によるショートからの事故が目立つ。ドアの開閉機構の破損によって配線に外圧が加わったことで断線して出火した、あるいはドアの開閉の繰り返しで断線したといった事故が報告されている。

ただし、冒頭に述べたように事故のほとんどは使用開始から10年以上経過した製品で発生しており、同制度の運用開始後に販売された製品での事故はいまのところ報告されていない。

しかし、2009年4月以降に製造・輸入された機器も今後経年劣化が進んで事故を起こす可能性が高まることに加え、所有者情報の登録率が使用者の4割程度にとどまっていることから、消費者に向けて所有者情報の登録と点検の実施を推奨している。なお、同制度開始前に製造・輸入された製品でも事業者に依頼すれば点検を受けられる。

(日経ものづくり 吉田勝)

[日経テクノロジーオンライン 2014年10月23日掲載]

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]