人手不足の救世主か 点検ロボ、老朽インフラに殺到
インフラ市場異種争奪戦(下)

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2014/11/5 7:00
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日経コンストラクション
 人が近付けない、あるいは近付いて詳細に調査するにはコストが掛かる箇所を、どのように点検するか──。物理的な限界とコストの限界を打ち破るために、国が旗を振って維持管理に関する技術開発に乗り出した。その主要テーマの一つが、点検ロボットだ。連載「インフラ市場異種争奪戦」の第3回では、老朽化した社会インフラの点検を担う最新ロボットを追った。

2014年7月13日の昼下がり。東京都八王子市内に架かる新浅川橋の桁下に集まった数十人の団体を、通行人が不思議そうな表情で眺めていた。

カメラやレーザー距離計を片手に主桁や床版を熱心に視察するこの集団は、国土交通省が公募していた「次世代社会インフラ用ロボット」の、現場検証に参加する開発者たちだ。

現場検証の会場である東京都八王子市内の新浅川橋を視察するロボット開発者。日曜日にもかかわらず数十人が集まり、国土交通省の担当者の説明に聞き入った(写真:日経コンストラクション)

現場検証の会場である東京都八王子市内の新浅川橋を視察するロボット開発者。日曜日にもかかわらず数十人が集まり、国土交通省の担当者の説明に聞き入った(写真:日経コンストラクション)

同省は2014年4月から、維持管理と災害対応の部門で、3年以内に実用化を見込めることなどを要件にロボット技術を募集。維持管理部門では、橋梁、トンネル、河川やダムを対象に近接目視・打音検査の代替や支援が可能な技術を求めた。

■11者がUAVの活用を提案

2014年7月初旬には、現場で実際に点検してみて性能を検証する技術を選定。橋梁が最も多い25者、トンネルは10者、河川やダムは14者だ。応募数は同省の想定以上に多かった。建設関連企業だけでなく、ロボット関連のベンチャー企業や大学などの研究機関も目立つ。

下の写真や図は、橋梁分野で選んだ点検ロボットの一例だ。同分野では現場検証を実施する25者のうち11者が、マルチローターヘリコプターなどのUAV(無人航空機)の活用を提案した。

[左上]バキュームポンプでコンクリート表面に吸着し、移動しながら表面の劣化状況と打撃音を計測するロボット。サイズは50cm角、重さは8kg以内に収めた。コンステックなどが開発した(写真:コンステック)
[右上]マルチーローターヘリコプターを球殻で保護し、桁下など入り組んだ空間での衝突時の衝撃を受け流しながら飛行できるようにした。高解像度の接写画像を撮影する。ヘリと球殻はジンバルで接続しており、独立して回転できる。東北大学が千代田コンサルタントなどと開発している(写真:東北大学)
[左下]カナダ製のマルチローターヘリコプターを用いて、橋脚が高いコンクリート橋のひび割れなどを撮影する。東日本高速道路会社などが提案した(写真:日経コンストラクション)
[右下]高所作業車に取り付けて使う多関節ロボットアーム。狭い箇所に潜り込んで先端のカメラで点検する。アミューズワンセルフ(大阪市)が土木研究所などと開発している(写真・資料:アミューズワンセルフ)

[左上]バキュームポンプでコンクリート表面に吸着し、移動しながら表面の劣化状況と打撃音を計測するロボット。サイズは50cm角、重さは8kg以内に収めた。コンステックなどが開発した(写真:コンステック)
[右上]マルチーローターヘリコプターを球殻で保護し、桁下など入り組んだ空間での衝突時の衝撃を受け流しながら飛行できるようにした。高解像度の接写画像を撮影する。ヘリと球殻はジンバルで接続しており、独立して回転できる。東北大学が千代田コンサルタントなどと開発している(写真:東北大学)
[左下]カナダ製のマルチローターヘリコプターを用いて、橋脚が高いコンクリート橋のひび割れなどを撮影する。東日本高速道路会社などが提案した(写真:日経コンストラクション)
[右下]高所作業車に取り付けて使う多関節ロボットアーム。狭い箇所に潜り込んで先端のカメラで点検する。アミューズワンセルフ(大阪市)が土木研究所などと開発している(写真・資料:アミューズワンセルフ)

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