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鍛え・学び・食べる…教習所体験、肌で知った大相撲

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2014/10/27 7:00
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とはいえ、きつい稽古ばかりではない。基本動作では攻めの型や腕立て伏せのほか、つま先立ちで両膝を開いて腰を下ろす蹲踞(そんきょ)、もみ手をして拍手をする塵手水(ちりちょうず)、相手と向き合った時の仕切りなどを教わる。塵手水のもみ手は屋外で相撲興行をしていた時代に、水の代わりに草で手をもんで清めたことに由来するという。所作を一つ一つ学び、必死についていくうちに、相撲のたどった歴史を体で感じられた。

ぶつかり稽古では関ノ戸親方に胸を出してもらう

ぶつかり稽古では関ノ戸親方に胸を出してもらう

元三役と申し合い、大人と子供の差

ぶつかり稽古と申し合いでは、指導員の親方と肌を合わせる得がたい経験をした。ぶつかり稽古の受け手は、大関豪栄道の兄弟子である関ノ戸親方(元小結岩木山)。165センチ、56キロと小柄な記者がありったけの力でぶつかっても188センチの巨体は全く動かず、突進の勢いは脂肪につつまれた分厚い胸板に吸収されてしまう。

申し合いでは稲川親方(元小結普天王)のまわしを取りにいくが、さすがに相手は元三役である。腕を差すことすらできず、あっさりと前にはたかれて終わった。まるで大人と子供ほどの差。この年になってそんな感覚を味わう体験など、めったにあるものではない。

午前9時半、砂と汗で泥まみれになりながら実技の稽古を一通り終えた。風呂で泥を洗い落とした後、座学を受けるため教室に向かうと、壁に相撲教習所の「校歌」ともいうべき錬成歌がかかっていた。「磐石(いわお)の如き胸板に、鋼鉄(はがね)の腕(かいな)火花散る……」。稽古を終えた今では「火花散る」という歌詞もあながち誇張でなく感じられる。

座学で社会の講義、睡魔との戦い

風呂につかってタオルだけ巻いた格好の教習生たちと一緒に、力士用の一回り大きい机と椅子についた。時間割は月曜が相撲史、火曜が国語(書道)、水曜が社会、木曜が相撲甚句と修行心得、金曜が運動医学で、相撲に必要な専門知識とともに一般の高校で習うような科目もある。

講義は日本語のみで、通訳はつかない。モンゴルをはじめとする外国出身者たちは日本語を学ぶ間もなく"入学"するため、座学すら悪戦苦闘なのだ。この日は逸ノ城が好きだという社会で、少子高齢化社会について1時間ほどNHK学園の講師が講義をした。

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