2019年6月16日(日)

シリコンバレーを作った男が予言していたこと
校條 浩(ネットサービス・ベンチャーズ マネージング・パートナー)

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2014/10/26 7:00
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シリコンバレーの「ベンチャーキャピタル銀座」メンローパーク市サンドヒルロードの宴会場で先日同窓会が開かれ、300人ほどの卒業生が集まった。と言っても学校の同窓会ではなく、レジス・マッケンナ・インク(RMI)の同窓会だ。RMIは、「シリコンバレーを作った25人」のひとりと言われるレジス・マッケンナが1970年に創業したコンサルティング会社だ。私もRMIのパートナーとして、レジスとは深く関わり、今でも友人として付き合いがある。

■技術系企業にいち早くマーケティングの重要性説く

レジス・マッケンナ氏(右)と筆者

レジス・マッケンナ氏(右)と筆者

本当のシリコンバレーの秘密を知るには、現在の姿だけでなく先人がどう道を切り開いてきたかを理解するのが重要だ。その意味で、RMIの同窓生と旧交を温めるのは興味深かった。

RMIの歴史には、レジスが引退する2000年までに3つの時代がある。最初は、1970年代の黎明(れいめい)期だ。レジスはマーケティングの重要性を技術系新興企業に説き、急成長を後押しした。インテルがマイクロプロセッサー事業にカジを切った時から指導し、市場展開にはマーケティング戦略が鍵であることを納得させ、現在の地位を築くきっかけを作った。その後、故スティーブ・ジョブズに請われ、アップルのマーケティング戦略を主導し、巨人IBMに対抗するキャンペーンなどを演出した。

マーケティングは広告宣伝や販売とは同義語ではなく、ユーザーエクスペリエンス(体験)を提供し、共感してもらう戦略であることを説き、技術系の新興企業でもマーケティングが重要だということを普及させた。今や、シリコンバレーでは、ユーザーエクスペリエンスを考えることは企業の常識となっている。

■ソーシャルマーケティングを予言

80年代から90年代半ばまでは、現代の技術マーケティング理論の基礎が作られた時代だ。特に革新的な製品は市場の「インフルエンサー」(影響力のある人)からの伝搬で広がることを示した。そして先進ユーザーから市場の中心的なユーザー層の間には「死の谷」または「キャズム」が存在することを示したのもレジスだ。彼の門下生であるジェフリー・ムーアがキャズムに関する著作を出版して一般に広まった。

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