2019年6月19日(水)

光学レンズ向け蛍石の人工合成に成功 岩谷産業

2014/10/16付
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日経エレクトロニクス

合成した高純度蛍石

合成した高純度蛍石

岩谷産業は、高品質な光学レンズの原料である蛍石(フッ化カルシウム)を人工合成する量産技術を開発した。

同社によると、合成蛍石の量産技術は世界初という。粉末の炭酸カルシウムにフッ化水素ガスを反応させて得る。

蛍石レンズは、光の波長ごとの屈折率の差(波長分散)が通常の光学ガラスと比べて少なく、色収差を少なく出来ることから、高級カメラレンズや屈折式の天体望遠鏡、半導体露光装置(ステッパー)などで使われている。原料の蛍石を溶融し、単結晶化することで光学レンズとする。

今回の合成蛍石から試作した光学レンズの波長ごとの透過率

今回の合成蛍石から試作した光学レンズの波長ごとの透過率

現在は天然資源の蛍石を原料として利用しており、特に高純度品については中国からの輸入に頼っている。今回の合成蛍石を使えば、天然資源に依存せず、高純度の蛍石を光学レンズメーカーなどが安定調達できるようになる。

今回の合成蛍石は、現状では中国から輸入した天然蛍石と比べてかさ密度が小さく、価格も高くなることが想定されるという。ただし、需要の拡大、および原料となるフッ化水素ガスを、エアコンなどから回収した冷媒フロンから調達することなどで、製造コストは大幅に下げられるという。

合成蛍石の純度は99.95%以上。この合成蛍石から試作した蛍石レンズは、400~800nmの可視光領域で90%以上の透過性があり、特に200~400nmの紫外光領域では、天然蛍石から作成したレンズと比べて高い透過性があったという。

今回の量産技術は、岩谷産業が名古屋工業大学准教授の安井晋示氏および上田石灰製造と共同で開発した。上田石灰製造は炭酸カルシウムを造粒する技術を、岩谷産業はフッ化水素ガスとの反応プロセスを、ぞれぞれ担当した。

(日経エレクトロニクス 進藤智則)

[日経テクノロジーオンライン 2014年10月16日掲載]

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