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増えるイングレス女子、そのリスクと効能は

(村山らむね)

スマートフォン(スマホ)の位置情報と拡張現実(AR)を利用した陣取りゲーム「Ingress(イングレス)」。米グーグルが2012年11月にリリースしたアプリだ。今年7月にiPhone(アイフォーン)でも利用可能になり、一気に利用者が増えた。

一言で説明すると、青チームと緑チームに分かれての陣取りゲームだ。スマホのGPS(全地球測位システム)機能で、世界中にある陣地(ポータル)に40メートル以内に近付くと「ハック」できる。そこが味方チームの陣地ならエネルギーをチャージするなどで応援でき、相手チームの陣地ならば攻撃して力を弱めることができる。

戦争ゲームの一種だが直接的に人に対して攻撃するわけではない。あくまでも陣地を守り攻撃するという世界観に支えられている。どちらかといえば男性的な世界観なのだが、女性の心もつかみはじめたようで女性ユーザーも急増。恥ずかしながら私もハマっている。

ただ、スマホと位置情報を使うゲームのため、女性は注意を払う必要がある。情報公開の設定によっては自分の今いる場所や住まいをある程度、第三者が推測できるからだ。「イングレスを始めたい女性のための安全な開始方法」との記事を掲載した「しゅうまいブログ」を主宰する、かさはらよしこさんに女性がイングレスをする際の注意点について聞いた。

「位置情報が筒抜けになるので、自宅や会社の露見には気をつけてほしい。ゲームゆえ敵陣の恨みを買う可能性もあり、普段とは別のグーグルアカウントを新規に作るのがおすすめ。エージェント名も女性と分からないものが安全です」

 このゲームの最大の魅力は何か。かさはらさんや、イングレス初心者向けの著作があるコグレマサト氏は「やせること」だと指摘する。ゲームには歩いた距離が表示される。このため、もう少し歩いて、ポータルをもう1個ハックしようとの気になるからだ。コグレ氏はゲームを始めた7月から体重が約8キログラム減り、「イングレス・ダイエット」だと言われた。

世界を網羅している点も魅力的だ。日本発の位置ゲームに「コロプラ」や「ケータイ国盗り合戦」などがあるが、ポイントは国内だけで、海外では楽しめなかった。イングレスは世界が舞台。私が先日、タイに行った際も、ポータルの多さにうんざりするほど現地でも盛んだった。知らない土地に行くのが楽しくなり、今まで見落としていた史跡や建造物、アイコンに目が行き、街を見直すことになる。

まず岩手県がイングレスを観光マーケティングに利用するといち早く名乗りを上げた。今後、地方の観光地もこぞって観光資源として利用するに違いない。ほとんどノーコストで、現在最大700万人(コグレ氏談)とも言われる世界中のユーザーに知ってもらえる可能性が生まれるからだ。

まだ登録されていないポータル候補を探したり、最近リリースされた「ミッション」機能ではユーザーがスタンプラリーを作成できるので、これも集客に利用されていくだろう。

グーグル側はイングレスを通じ莫大な画像と人の動線が収集できる。地図に載らないようなオブジェや建造物などの画像が、ほぼ正確な位置情報とともに集まるからだ。

ところで私、イングレスをやり始めてもう3カ月になるが、まったく痩せていない。歩いた後のカロリー補給が順調だからか……。ちなみに青組に属している。

(通販コンサルタント)

〔日経MJ2014年10月17日付〕

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