2018年6月24日(日)

物価連動債、インフレに強いが… 個人で買う注意点

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2014/10/19 7:00
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 まず個人が知っておきたいのは額面価格と発行価格の違い。金融機関の入札で決まる発行価格は市場のインフレ予想を反映し、物価上昇を予想する人が多いほど値段が高くなる。8日に入札された第19回物価連動国債の発行価格は108円05銭(額面100円)で、10年間で平均1.2%程度の物価上昇率を織り込んだ水準だった。

 このとき、投資家は額面価格より高い値段で同国債を購入するので、償還まで10年保有した場合、物価上昇率によっては投資額を回収できないこともある。

 例えば、第19回債を発行時に額面100万円分購入したときの投資額は108万500円になるが、今後、物価が全く上がらなければ10年間に受け取る利子と償還金額の合計は101万円となり、収支は約7万円の損失となる(表B)。「フロア」が保証するのは額面額で、投資額(元本)が必ず返ってくるのではない点に注意したい。

 一方、政府や日銀が言うように今後、物価が安定的に2%上昇すれば、約15万円の利益になる。大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジストの試算によると、第19回債の場合、10年保有で収支トントンになる今後10年の物価上昇率は、年平均0.7%という。

■変動金利型も考慮

 三菱UFJ信託銀行の西川圭助インデックス戦略運用部チーフファンドマネージャーは「物価連動国債はインフレ時には有利だが、長期金利の上昇には効果がない」と指摘する。

 多くの人はインフレといえば景気回復に伴い物価と金利が同時に上がる状態を想像するだろう。しかし実際には、「インフレなき金利上昇」もあり得る。景気の足取りが鈍いまま、国の財政不安などを背景に国債価格が下落(長期金利が上昇)する場合などだ。物価連動国債は想定元金額が増えず、長期金利の上昇で債券価格が下がるという二重のダメージを受ける。

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