2019年7月24日(水)

花開く日本の石炭技術 肥料やガス化、海外が注目

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2014/10/14 7:00
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 日本企業が開発した低品質の石炭を肥料やエネルギーとして有効利用する技術がアジアで花開こうとしている。IHIはインドネシア、新日鉄住金エンジニアリングは中国で実証プラント建設にこぎ着けた。シェールガス革命で液化天然ガス(LNG)が注目されたが、石炭は世界中に埋蔵されている。長年の研究開発と担当者の粘りが実りつつある。

■厄介もの「褐炭」活用、世界の石炭埋蔵量の約半分

IHIが使うインドネシアのスマトラ島産出の褐炭

IHIが使うインドネシアのスマトラ島産出の褐炭

両社が活用する低品質の石炭である褐炭は水分量が多く発熱量が小さい。しかも自然発火しやすいので輸送に適さないなどやっかいな代物だ。世界の石炭埋蔵量の約半分を占めるとされ、地域も欧米からアジアまで普遍的だが、産炭地の火力発電所で使うくらい。採掘も遅れ、膨大な未利用資源といわれている。

IHIの二塔式ガス化炉「TIGAR」(ティガー)は褐炭を乾燥させ火力発電の燃料に使うのではない。肥料の原料にするのだ。ガス化炉に褐炭を投入して水蒸気でガス化する。ガス化に必要な熱は燃焼炉で高温となった砂を循環させて供給する。組成の半分が水素の「水素リッチな合成ガス」が得られる。

この水素を空気中の窒素と合成してアンモニアを作る。さらに褐炭ガス化の過程で生まれる二酸化炭素と合わせて尿素を作る。売り込み先は肥料会社だ。

「計画が先送りされた時のインドネシアの担当者の失望といったらなかった」。エネルギー・プラントセクターの二塔式ガス化炉プロジェクト部の渡辺修三部長は振り返る。2000年代後半、IHIは横浜事業所にパイロット炉を持ち、インドネシアの国営肥料工場と実証プラント建設の話し合いをしていた。しかし、ガス精製設備や排水処理設備がまだなく、計画を凍結した。

■IHI、インドネシアにプラント 日本ではバイオマス使った研究も

IHIがインドネシアに建設した実証プラント

IHIがインドネシアに建設した実証プラント

2年後にインドネシアと交渉を再開したものの、相手の責任者が代わり、話が進まない。役所を巻き込み、「これで駄目だったらこのプロジェクトは終わり」と追い詰められる中、官民を交えた大規模な会議を12年に開く。やっとゴーサインを得た。

実証プラントは1年の工期を経てジャカルタ南東のクジャン肥料会社に隣接する工業団地にこの秋完成し、11月末からいよいよ褐炭を投入し、試運転が始まる。日本とインドネシアを行き来する森徹・二塔式ガス化炉PJ部課長代理は「5人程度で運転できる」と現地で肥料工場の担当者の指導を始めた。

横浜ではすでに次をにらんだ研究が進んでいる。TIGARに褐炭ではなく木質バイオマスを投入しようというのだ。高藤誠・基礎技術研究所主任研究員は「バイオマス単体の試験は終わった。褐炭とバイオマスを同時に使うことを考えている」と話す。

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