2019年8月19日(月)

非課税のはずが… 失敗例に学ぶ住宅・教育資金贈与

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2014/10/12 7:00
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 贈与を活用する家計がさらに増えそうだ。祖父母、父母から子供、孫へ住宅資金や教育資金を非課税で贈与できる制度が延長、拡充される可能性があるからだ。世代間での資金移転を促して消費を刺激したいという政府の思惑も透けるが、せっかくの恩典だけに使わない手はない。失敗例も参考にしながら上手に贈与するコツをまとめた。

「非課税で贈与を受けられるはずが受けられない……」。肩を落とすのは神奈川県に住む会社員の植田光弘さん(仮名、38)だ。

■工期延期で課税

植田さんは昨年末、親から500万円の贈与を受けてマンションの購入契約を結んだ。住宅購入用に贈与を受けたときに一定額まで非課税になる制度を使おうと、税務署に申告する準備まで整えていた。

だが肝心のマンションの完成が遅れた結果、「翌年の3月15日までに物件の引き渡しを受ける」という必要条件を満たさなくなり、申告に至らなかった。もらった500万円は頭金として確かに購入用に使ったのに、このケースでは「贈与税の課税対象になる」(税理士の藤曲武美氏)。

父母から子供、孫が住宅購入のための資金をもらう場合、最高1000万円(昨年は1200万円)まで贈与税はかからない。もらう側の合計所得金額が2000万円以下、家の床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下といった条件がある。もちろん申告が必要だ。

国税庁によると、非課税制度を申告した人は昨年約7万5000人おり、合計5767億円が非課税となった(グラフA)。その陰で、「要件を満たさない例は多い」と税理士法人・山田&パートナーズの浅川典子税理士は見る。

中でも目立つのが冒頭の植田さんのように、「物件引き渡しの時期が遅れるケース」(税理士の飯塚美幸氏)だ。このほか、肝心の申告をし忘れてしまい、税務署から後に追徴課税されるケースもある。

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