2018年11月20日(火)

「タワマン」が秘める節税効果 富裕層が注目

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2014/10/9付
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ところが相続税とタワーマンションの賃貸経営に精通した専門家は少ない。「適切なアドバイスがもらえる不動産業者が見つからず、孤独だった」と振り返るのは東京都の会社経営者、山口大輔さん(同、31)。08年に父を亡くし、資産家の祖父母の相続対策を任されたが、相続人が多いため実効税率は40%足らず。自ら不動産投資の資格を取得するまで研究し、ようやく昨年、都心の高級住宅地にあるタワーマンション11戸を祖父母名義で購入したという。

不動産は相続財産の評価を下げられる半面、売買の仲介手数料や登録免許税といった取引コストがかさむ。個人のタワマン節税のコンサルティングを手がけるスタイルアクト(東京・中央)の沖有人・代表取締役は「財産が少なくとも1億5千万円、相続税率が30%以上でないと勧められない」と明かす。

最近はタワーマンションの節税効果をアピールする販売業者も出ているが、不動産による節税ならほかに選択肢はある。高い税率が課される富裕層でなければ、タワマン節税は慎重に考えた方が無難だろう。(表悟志)

■「著しく不適当」なら時価で課税も
 国税庁はタワーマンションの節税について見解は明らかにしていないが、一般論として「明らかに課税が公平でない特別な事情があれば、合理的な評価をすることがあり得る」としている。仮に時価で課税されると、タワーマンション節税のスキームは成り立たなくなる。潜在的なリスクとして認識しておきたい。
 マンションの建物を固定資産税評価額で評価するルールは同庁の「財産評価基本通達」に記載されているが、この通達には評価方法が「著しく不適当」なら国税庁長官の指示を受けて評価するという規定もある。相続前後の極めて短期間で売買すれば「租税回避行為とみなされる懸念がある」(大手税理士法人)との指摘も出ている。

[日本経済新聞朝刊2014年10月8日付]

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