2019年1月17日(木)

強敵出現? 卓球ロボット、お手並み拝見

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2014/10/7 7:00
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■軌道を「思考」

ロボットのアームや、先端にあるラケットの向きや角度を制御する計5つのモーターは、「プログラマブルロジックコントローラ(PLC)」と呼ぶ産業用の制御機器で動かす。計測、制御はオムロンの得意技だが、人とのラリーは簡単ではなかった。川上氏は「『思考』という考えを新たに取り入れた」と明かす。

球がロボットに接近してからアームを動かしていたのでは追いつかない。そこで画像センサーから球の位置情報を受け取りながら球の軌道を予測。先回りしてラケットを構え、すばやく打ち返す。軌道予測は球の新たな位置情報が来るたびに更新し、ラケットの位置を修正する。その思考を担うのが「知識情報処理」と呼ぶアルゴリズムだ。

相手が右利きならば右側に、左利きならば左側にと、打ち返しやすい球を返す。相手が子どもで山なりのゆっくりした球を打ってくれば、同じように山なりで返す。こうした返球のための軌道も瞬時に計算する。

村田製作所が発表したロボット「チアリーディング部」(25日午前、東京都渋谷区)

村田製作所が発表したロボット「チアリーディング部」(25日午前、東京都渋谷区)

それぞれは最先端技術ではないが、「組み合わせて新たな価値を生み出した」(川上氏)という。機械が単純に人の働きを代替したり、人が機械に合わせたりするのではなく、人と機械が協調するためにはどうすればいいか。計測、制御という既存技術に、思考という概念を組み合わせることで、その解が生まれる将来像を描いている。

■ロボットがチアリーダー

高さ36センチの愛嬌(あいきょう)あふれるロボットが玉乗りで絶妙なバランスを保つ。村田製作所の「チアリーディング部」だ。これまで、転倒せずに自転車をこぐ「ムラタセイサク君」や一輪車でバランスをとる「ムラタセイコちゃん」で、自社のジャイロセンサー技術などをわかりやすくアピールしてきた。シーテック会場ではおなじみのこのロボットが今年、ある進化を遂げた。

10体がボーリングのピンのように整列した基本配列から、斜めに整列、S字走行、円形やハート形への整列など協調した動作で次々と動きを変える。自動車にも搭載される超音波と赤外線を使った技術でステージ上の位置をリアルタイムで計測。無線通信で制御システムと交信し、フォーメーションを変える。

この動きを可能にしたのが、京都大学と共同研究した「群制御」と呼ぶ技術だ。美しいフォーメーションを描くのに適切な位置取りや動きを算出し、互いにすれ違う際にもぶつかることなく動くことができる。この技術を使えば、将来は被災地で複数のロボットが協力してがれき撤去などの任務にあたるのも夢ではない。技術・事業開発本部の小島祐一副本部長は「自動車や医療機器などへの幅広い技術応用を探る」と話す。

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