/

丸ごとレビュー ウィンドウズ10、デスクトップ回帰で使いやすく

テクニカルプレビューを試す

フリーライター 竹内 亮介

スタートメニューが復活したウィンドウズ 10 テクニカルプレビュー

米マイクロソフトは現地時間の9月30日、パソコンやタブレット向けのOS「ウィンドウズ」の最新版となる「ウィンドウズ 10」を、2015年後半に発売すると発表した。同じく現地時間の10月1日には一般ユーザーもインストールして試せる「ウィンドウズ 10 テクニカルプレビュー」を公開している。今回はこのテクニカルプレビューを実際にインストールし、その新機能を簡単にチェックしてみた。

デスクトップ向け改良の集大成

マイクロソフトは12年10月に発売した「ウィンドウズ 8」で、アプリを起動するための大きめな「タイル」を全画面にちりばめた「スタート画面」や、従来とは異なる環境で動作し、やはり全画面で動作する「ウィンドウズストアアプリ」を導入した。これらは、タッチ操作を前提としたタブレット向けの機能だ。

8.1のスタート画面。全画面で表示されるアプリランチャーとして機能する

しかしデスクトップ中心で利用するユーザーにとって、従来のデスクトップアプリとストアアプリの使い分けは非常に煩わしい。また、作業中にデスクトップ画面が見えなくなってしまうスタート画面への反発は強かった。そのためマイクロソフトは、13年10月の「ウィンドウズ 8.1」や、14年4月の「ウィンドウズ8.1アップデート」で、そうしたユーザー向けに改良を加えてきた。

わずかな時間ではあるが、今回のテクニカルプレビューを触った感触としては、そうしたデスクトップユーザー向けの改良の集大成ともいえる仕上がりだ。ユーザーインターフェースが気に入らなくて、7から8へどうしても移行できなかったというユーザーにとっては、満足のいくアップデートになるだろう。

テクニカルプレビューは、Windows Insider Programに登録すれば無料でダウンロードできる

なお、このテクニカルプレビューの公開は、開発者や上級者による最新機能のチェックや、不具合報告を受け付けるために行われる。未知の不具合でユーザーの環境に支障が発生する可能性もあるし、インストールに際してマイクロソフトのサポートは受けられない。このため、普段使っているメインのパソコンにインストールしてはならない。試すなら、トラブルが起きても問題がないパソコンを使おう。

テクニカルプレビューは、マイクロソフトの開発者向けサービス「テックネット」「MSDN」のほか、ITエキスパートを対象にした最新OSの検証ウェブサイト「Windows Insider Program」経由でダウンロードが可能だ。Windows Insider Program経由なら無料でダウンロードし、テクニカルプレビューを試せる。

スタート画面と融合した新しいスタートメニュー

テクニカルプレビューで利用できるパソコンの条件は、動作周波数が1ギガヘルツ以上のCPU、メモリーは2ギガバイト(64ビット版、32ビット版は1ギガバイト)以上、16ギガバイト以上のストレージ領域などだ。

アプリのタイル内に最新情報が表示される
起動するとデスクトップを表示し、左下にあるスタートボタンをクリックするとスタートメニューが表示される

これは7や8とほとんど同じ条件である。ここ1~2年のパソコンだけではなく、これら古いOSがインストールされた世代のパソコンでも、比較的問題なく動作することが予想される。セットアップが終わると、見慣れたデスクトップ画面が表示された。これは最新版である8.1 アップデートと同じだが、スタートボタンをクリックすると、7までで見慣れたスタートメニューが表示された。

左のプログラムメニューは、7までとほとんど同じといっていい構造や使い方で、「All Apps」をクリックするとウィンドウズストアアプリも含め、現状でインストール済みのアプリをメニュー方式ですべて表示する。

ただし、7とまったく同じというわけでもない。右のスペースは8や8.1で利用してきたスタート画面によく似た構造で、アプリ起動用のタイルが並ぶ。各タイルの上には受信メールや天気情報など最新情報が表示され、自動で更新される。タイルをクリックするとそのアプリが起動するなど、使い方もスタート画面と同じだ。

Pin to Startで右側の領域が増え、新しくアプリのタイルが追加される

タイルをサッと眺めるだけで現状の最新情報を一覧できるスタート画面の良さを、スタートメニューに取り込んだということだろう。このスタートメニューに含まれるスタート画面の領域は固定ではなく、アプリアイコンの右クリックメニューに表示される「Pin to Start」をクリックすると、右側の領域が増えてそのアプリのタイルが表示される。

ウィンドウ表示できるストアアプリ、仮想デスクトップも便利

左のインターネットエクスプローラーはデスクトップアプリ、右のワンドライブはストアアプリだ。両者ともにデスクトップ上でウィンドウ表示できる

ウィンドウズストアアプリは、デスクトップでウィンドウ表示できるようになった。従来は、ストアアプリを起動すると全画面モードに強制的に切り替わり、デスクトップは見えなくなってしまった。しかしテクニカルプレビューでは、一般的なデスクトップアプリと同様に、デスクトップ上で複数のアプリを管理できる。

マウスでクリックしたり、タスクバーから呼び出したりなど、アプリ切り替えの方法も同じで、扱いは完全にデスクトップアプリと同じになった。今までは画面が切り替わって全画面表示になって全画面表示になってしまうため、デスクトップパソコンに接続されるような大画面液晶ディスプレー上では使いにくかった。しかし、こうした改善によって、気軽にストアアプリを使えるようになった。

検索ボックスにテキストを入力すると、そのキーワードにマッチしたアプリやファイルを検索して上に表示する

タスクバーには検索ボタンと「タスクビュー」という新機能が追加されている。検索ボタンをクリックすると、検索ボックスとよく検索されるワード一覧などが表示される。検索ボックスに文字を入力すると、PC内のファイルやアプリを検索する。

さらに虫眼鏡マークをクリックすると、マイクロソフトの検索エンジン「ビング」を使ったインターネット検索の結果が表示された。これは、8.1アップデートまでの「チャーム」に組み込まれていた検索機能だ。チャームがなくなったため、よく使う機能をわかりやすい場所に移動した、ということだろう。

タスクビューボタンをクリックすると、起動中のアプリのサムネイルを横一列に並べて表示する。サムネイルをクリックすると、そのアプリのウィンドウが作業中の状態になる。さらに中央下にある「+」マークをクリックすると、「仮想デスクトップ」が追加される。仮想デスクトップとは、液晶ディスプレーが物理的に複数台接続されていない環境でも使えるマルチディスプレー機能のことだ。

タスクビューをクリックすると、中央に現在利用中のアプリを表示する。仮想デスクトップのリストは下に表示する

1つのデスクトップ上で多数のアプリを起動すると、ウィンドウ同士が重なって表示されるため、どこにどのアプリがあってどう切り替えればいいのかがわかりにくくなる。しかし仮想デスクトップ機能を使い、1つのデスクトップには2つ程度のアプリウィンドウを置くようにすれば、そうしたわかりにくさは解消される。

8のいいところを取り込んだ7の進化型

テクニカルプレビューでは、スタート画面と融合した新しいスタートメニュー、ウィンドウズストアアプリのウィンドウ表示化など、デスクトップ主体で使うユーザーにとって「最後の懸案」だった部分を丁寧に拾い上げ、使いやすさに磨きをかけている。

基本的なユーザーインターフェースを7に戻すだけではなく、8のいいところもちゃんと残しており、ユーザーの声を真摯に取り入れた修正だ。実際の発売は15年後半であり、大きな変更が加わることも予想される。しかしこのまま開発が進むなら、XPや7と同様に、パソコンユーザーに広く受け入れられる優れたOSになりそうだ。

ただ、15年後半という発売時期が惜しい。テクニカルプレビューは機能を紹介するための初期バージョンだが、いくつかのパソコンにインストールしても、トラブルらしいトラブルはなく、操作性や安定性は十分に高い。8や8.1への残念な印象を払拭するためにも、早期の発売に期待したいところだ。

竹内亮介(たけうち・りょうすけ)
 1970年栃木県生まれ、茨城大学卒。毎日コミュニケーションズ、日経ホーム出版社、日経BP社などを経てフリーランスライターとして独立。モバイルノートパソコン、情報機器、デジタル家電を中心にIT製品・サービスを幅広く取材し、専門誌などに執筆している。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン