2019年1月19日(土)

身軽になったパイオニア カーエレ特化の勝算

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2014/10/2 7:00
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パイオニアがカーエレクトロニクスメーカーに生まれ変わる。技術力に定評がある同社は、AV(音響・映像)機器、カーナビゲーションなどで世界初の製品を世に送り出してきた。今後は、スピーカーなどオーディオ機器で培ってきた技術力やブランド力を武器に、カーエレ分野に経営資源を集中する。ただ、この分野は世界の電機メーカーが狙っている。競争が激化する業界内で生き残れるのか。

■ビッグデータ活用でも既に手を打つ

パイオニアは2012年に世界初のフロントガラスの前方にナビゲーション情報を投影するAR(拡張現実)技術を使ったカーナビを開発した

パイオニアは2012年に世界初のフロントガラスの前方にナビゲーション情報を投影するAR(拡張現実)技術を使ったカーナビを開発した

先月16日に開催した事業方針説明会の席上、小谷進社長は事業ポートフォリオの再編を加速し、コア事業のカーエレ分野に経営資源を集中させる考えを強調した。財務基盤を安定させ、次世代のカーコックピット提案への技術投資を強化する。AV事業の稼ぎ頭だったDJ機器を米ファンドに売却。家庭用AV機器子会社はオーディオ中堅のオンキヨーに統合する。

パイオニアはカーナビなど車載機器に将来をかける。堅調な自動車市場の伸びに支えられ、アジアや南米など新興国は期待できる成長市場といえる。新興国では経済成長で小型車が急速に普及。小型車向けのカーナビやカーオーディオなど低価格機の開発・販売はカーエレ戦略の肝だ。小谷社長は「自動車産業、カーエレ業界は今、大きな変化点にある。これまで培ってきた技術力、提案力、信頼は大きな差異化の要因だ」と意気込む。

事実、パイオニアの収益の柱は自動車分野にすでに移っている。1990年には世界初の全地球測位システム(GPS)搭載の市販カーナビを発売。位置情報の精度の高さは業界内でも定評がある。

2006年にはカーナビから交通状況や、ブレーキ箇所など走行情報を取得する独自ネットワークシステム「スマートループ」を立ち上げた。13年にはNTTドコモと連携し、スマートフォン(スマホ)からも走行情報を取得できる体制を整えた。実際に道路を走っている人からの投稿情報を活用し、最新の道路状況を把握できる。

さらに先月、ビッグデータ解析支援の米トレジャーデータ(カリフォルニア州)と自動車関連のデータを活用した分析事業で業務提携。収集した走行データを短時間で効率的に分析・活用することが可能になり、15年度中に企業向けにサービスを始める予定だ。自動車用品店などは分析結果を活用して、自社の顧客に走行距離や車検時期に合わせた販売促進策などを企画できる。

IT(情報技術)大手のサービスとの連携も進める。米アップルが推進するクルマと自社のスマホを連動させるサービス「カープレー」対応機を北米や欧州向けに今秋にも出荷する予定だ。また、グーグル主導の車載情報システムの開発組織「オープン・オートモーティブ・アライアンス」(OAA)にも参画、クルマと通信の融合をにらむ。今後市場拡大が期待される「自動運転車」でも、通信と融合する次世代車載機への期待は大きく、そこでも存在感を示したい考えだ。

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