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2023年空き家率が21%になるシナリオ、野村総研

野村総合研究所はこのほど、2023年の空き家率に関する2通りのシナリオを作成し公表した。空き家率の増加が収束していく場合は約13.7%にとどまり、世帯数が減少し住宅の除却・減築が進まない場合は約21.0%に拡大するという。

総務省が2014年7月に発表した2013年住宅・土地統計調査によると、2013年の空き家数は820万戸、空き家率は13.5%で、いずれも過去最高となった。空き家率が高くなるとさまざまな犯罪の発生要因になり、住宅地の荒廃につながることから対策の必要性が指摘されている。

しかし、ここ数年は総住宅数も空き家数も増加率は低下傾向にあり、空き家率の増加スピードは鈍くなっている。今後もこの傾向が続くとすれば空き家率の増加は収まり、2023年の空き家率は現在とほぼ変わらない13.7%になると予測される。これが第1のシナリオだ。

ただし、第1のシナリオでは総世帯数が減少するという環境の変化は考慮されていない。

世帯数のピークは2020年、その後は…

2005年以降は、主に単独世帯が増えたことによって世帯数の増加スピードが高まっている。その結果として、空き家率の増加が鈍化している。

しかし、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、総世帯数は2020年に5305万世帯となるのをピークに、その後は減少していく。そのため空き家率の増加スピードは再び高まり、2023年の空き家率が21.0%にまで高くなる、と野村総研は予測する。これが第2のシナリオだ。

空き家率の上昇を抑えるためには、世帯数の減少に応じて、総住宅数も減らす必要がある。現状では、住宅の建て替えなどを伴わずに住宅を除去するだけでは、費用の負担や固定資産税の減免措置が受けられなくなるなどの理由から、住宅の除却・減築は建て替え時に行われる傾向にある。

世帯数の減少によって新設住宅着工戸数が減少すれば、住宅の除却も進まないと考えられる。試算では、2023年の総住宅数は約6640万戸で、空き家数は約1397万戸になるという。

野村総研では、空き家率の増加を抑制するには、税金面での優遇措置や補助金などにより住宅の除却・減築を進めるとともに、賃貸・中古住宅市場の活性化が必要だとしている。

(ライター 田口由大)

[ケンプラッツ 2014年9月25日掲載]

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