「仮想現実」活況 東京ゲームショウが示した未来 (三淵啓自)

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2014/9/26 7:00
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DK2は開発キットも公開されており、コンテンツを簡単に製作できるうえ、価格も4万円以下と安い。既に歌手の倖田來未さんがオキュラス用のPVを製作して公開するなど、水面下では利用がかなり広がっている。

 みつぶち・けいじ 米サンフランシスコ大卒、スタンフォード大学院で修士。オムロンやウェブ系ベンチャー企業設立を経て04年より現職。

みつぶち・けいじ 米サンフランシスコ大卒、スタンフォード大学院で修士。オムロンやウェブ系ベンチャー企業設立を経て04年より現職。

オキュラスが技術提供している韓国サムスン電子は、同社製スマートフォン(スマホ)「ギャラクシーノート4」をはめ込んでVR端末にできる「Gear(ギア)VR」を出展した。スマホの解像度はオキュラスのDK2より高く、内蔵カメラで装着したまま周囲を眺められる。ケーブルも不要なのでDK2より動きやすいのが特徴だ。

こうした大手の戦略を見ても、ソニーの対応は後れが目立つ。サムスンは今秋、開発者向けにギアVRを提供する予定。一方、オキュラスは10月末にモバイル向けの開発キットを公開するほか、VRコンテンツストアの「オキュラスホーム」を立ち上げる計画だ。映画館に座る感覚で映像を観賞できる「オキュラスシネマ」や全周コンテンツを再生できる「同360ビデオ」など4種のアプリを提供する予定だ。

PS4にこだわるソニーは、またも海外デバイスに市場を奪われかねない。できることなら、ソニーのスマホ「エクスペディアZ」に高音質のハイレゾ音源を組み合わせたVR体験を提供できるデバイスを早期に開発してほしいものである。

東京ゲームショウの期間中、スクウェア・エニックス・ホールディングスが米国、カナダ、日本にまたがる新しいクラウドゲーム会社、シンラ・テクノロジー(米ニューヨーク、和田洋一社長)を設立した。クラウドゲームはサーバー側で駆動させて配信する。端末に依存せずにゲームが遊べるサービスだ。

情報処理コストが下がり、多くのユーザーが一緒にVR世界を共有することが可能になった。数年前に話題になった仮想世界「セカンドライフ」などは80人以上集まると重たくなったが、クラウドゲームなら数千人がVR空間を共有できる。我々の意識もVR世界の体験を通じて新しい価値観を創造するようになる。

(デジタルハリウッド大学教授)

〔日経MJ2014年9月26日付〕

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