2018年12月15日(土)

ホンダなどが小型水素ステーション コスト10分の1に

2014/9/20付
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日経テクノロジーオンライン

さいたま市へ引き渡された「スマート水素ステーション」(右)

さいたま市へ引き渡された「スマート水素ステーション」(右)

ホンダと岩谷産業は2014年9月18日、水素製造から充填システムまで構成部位を世界で初めてパッケージ化した小型水素ステーション「スマート水素ステーション」を開発し、さいたま市に設置した。

1基当たりの設置コストが約4億~5億円かかるとされるこれまでの水素ステーションに比べて、「設置コストを将来的に10分の1まで減らすことを目指す」(ホンダ)としており、両社は水素ステーションの普及を加速させる考え。ホンダは、2015年に燃料電池自動車(FCV)を発売する計画で、FCV普及の基盤整備につなげたいとしている。

両社が開発したスマート水素ステーションは、外部電力を使って水を電気分解し、水素を取り出す設備だ。発電所からの電力の他に、太陽光発電などの再生可能エネルギーを利用して水素を製造することもできる。

さいたま市は、同ステーションをごみ焼却場の敷地内に設置して、ごみ焼却の排熱で発電した電力を水分解に利用する。1台のステーションで1日当たり1.5kgの水素を製造し、最大で約18kgの水素(FCV4.5台分を満充填できる量)を貯蔵できる。設置面積が約7.8平方メートルだけで済む小規模な設備のため、約1日で設置可能だ。

燃料電池車へ水素を充填している様子。水素の充填は3分程度で完了する

燃料電池車へ水素を充填している様子。水素の充填は3分程度で完了する

従来型の水素ステーションは、製造した水素をタンクに貯蔵する際、コンプレッサーを用いて水素を圧縮している。このとき、圧縮によるエネルギー損失を減らすために、設備規模を大きくするのが一般的だが、規模や設置面積が大きくなるため多額の費用がかかっていた。今回、ホンダはコンプレッサーが不要な高圧水電解方式と呼ばれる水素製造装置を採用することで、この問題を解決した。

同方式は、水を電気分解する電解質膜に耐圧性能(最大耐圧能35MPa)を持たせることで、電解セル内を高い圧力に保つことが可能となり、水素を製造した分だけセル内の圧力を高められる。このため、コンプレッサーは不要になり、小型化によるエネルギー損失を意識する必要がなくなり、小型化を実現したという。

水素ステーションは、水素エネルギー社会を実現するために重要なインフラとなる。今後、さいたま市は、市で所有するFCVを使用してスマート水素ステーションの効率的な管理や運用コストなどを実証していくとしている。

(日経ものづくり 佐藤雅哉)

[日経テクノロジーオンライン 2014年9月19日掲載]

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