人を外に連れ出すスマホゲーム 日本でも人気浸透
山田 剛良(日経NETWORK編集長)

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2014/9/16 7:00
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開発したのはグーグルの社内ベンチャー、Niantic Labs(ナイアンティック・ラボ)だ。同ラボを率いるジョン・ハンケ副社長はグーグルアースやグーグルマップの開発者として知られる地図・位置情報技術のスペシャリストである。居ながらにして全世界を体験できるグーグルアースとは逆に「外に出て遊べるゲーム」を作りたかったという。

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て13年から現職。京都府出身、48歳。

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て13年から現職。京都府出身、48歳。

実際にこのゲームをやってみると、やたらと「歩かされる」のが分かる。ポータルは著名な建造物や神社仏閣、街角のユニークな彫像などに設定。操作するには20メートル以内に近づく必要があるため、いくつもポータルがある場所などでは歩いたほうが早い。「気がつくと10キロメートル歩いていた」というのは大げさではない。

一人で遊んでいるのに他のプレーヤーと交流が生じるのも面白い点だ。敵ポータルを守るプレーヤーの気配を感じたり、見知らぬ味方が一緒に戦ってくれたりする。昨年のテスト運用の頃からイングレスを楽しんでいるIT技術者のおおつねまさふみ氏は「見知らぬ人といつのまにか役割を分担したりする」と面白さを表現する。ユーザーに自覚させずチーム戦に引き込むような仕組みになっている。

AR(拡張現実)技術の専門家である慶応義塾大学の稲見昌彦教授は、「なんの変哲のない場所に、ゲームが価値を与え、人を移動させている点が新しい」と話す。コンピューターによる情報の追加で現実に影響を与えるARの最先端応用の一つといえる。

グーグルによると、イングレスの全世界のダウンロード数は既に500万を超える。中でも日本の利用者数は世界で3位以内の規模だという。イングレスを絡めたイベントも今後は増えてくるだろう。

開発者のハンケ氏が「ユーザーを外に連れ出し、運動させ、人と交流させる」ために作ったイングレス。これまでのスマホゲームとはまったく違う利用体験を生み出しそうだ。

〔日経MJ2014年9月15日付〕

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