2019年7月20日(土)

日立など、ID情報を秘匿して認証可能な無線タグ試作

2014/9/10付
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日経テクノロジーオンライン

電気通信大学、日立製作所、サイバー創研は、ID情報を秘匿したまま認証できるUHF(Ultra High Frequency)帯のパッシブ型RFIDタグチップの試作に成功した。ID情報の追跡によるプライバシーの侵害リスクを低減するのが狙い。今回の開発は、情報通信研究機構(NICT)の委託研究「軽量暗号プロトコルの省リソースデバイスに対する実装効率向上の研究開発」により実施したもので、電気通信大学はRFIDタグ全体の設計、日立はRFIDタグに適した暗号技術の選定と実装、サイバー創研はRFIDタグの電力評価を担当した。

今回試作したRFIDタグチップ(写真:電気通信大学)

今回試作したRFIDタグチップ(写真:電気通信大学)

RFIDタグの活用として、近年ではセンサーで収集された人や物の状態に関する情報(フィジカル情報)と、クラウドコンピューターに蓄積されるさまざまな情報を組み合わせる「サイバー・フィジカル・システム」が注目されている。RFIDタグを活用して、人の位置や物の状態を把握し、日常生活に必要な電力量を調整するなど、利用者が所有するIDカードと組み合わせて、効率的なサービスの提供などが可能になる。

しかし、RFIDタグはカードリーダーなどで容易に情報を読み取ることができ、そのID情報を追跡されると個人のプライバシーを侵害されるリスクがある。このため、ID情報の付け替えを行う仮名化技術や秘匿化技術の研究開発が進められている。

ID値の追跡を困難にする従来のID秘匿認証(OMHSO)プロトコルは、ハッシュチェーンを用いてRFIDタグが発信するID値を毎回異なる値にして追跡を防ぐ。安全性は高いがタグチップ内で複雑な処理を実行するため、小型化および消費電力を抑える実装方法の確立が課題だった。

今回試作したRFIDタグチップは、アナログ信号とデジタル信号の処理回路を1つに集積し、新電波法の特定小電力無線局に対応したUHF帯(920MHz帯)での動作確認に成功したという。回路規模は約10kGE(Gate Equivalent:1GEは約8.78平方マイクロメートル)と小型化を図り、消費電力は約140マイクロワット(μW)に抑えた。

今後は、フィジカル情報の安全な収集技術を確立し、安心できるサイバー・フィジカル・システムの構築に貢献していくという。

(日経テクノロジーオンライン 森元美稀)

[日経テクノロジーオンライン 2014年9月9日掲載]

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