2019年7月19日(金)

曲折はあっても、やっぱり「円安・ドル高に現実味」
編集委員 清水功哉

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2014/9/1付
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「年初の寒波の悪影響から脱した米景気の復調により、なかなか実現しなかった円安シナリオが徐々に現実味を帯びてきた」――。8月4日の当コラムでこんな趣旨のことを書いてから、ほぼ1カ月が過ぎた。このあいだ、当時1ドル=102円台だった円相場が一時104円台半ばと7カ月ぶりの安値に下落するなど、円安・ドル高シナリオがようやく現実のものになり始めた印象が強い。円下落は一直線に進みそうにはなく曲折もありそうだが、米金融政策スタンスの「微妙な変化」がドル高圧力を加える図式が見えてきたのも事実。その他、円の下落圧力を生む新たな要素も意識され始めた。改めて円相場の行方について考えてみた。

1カ月前の拙稿(「『我慢の円安シナリオ』 米景気復調でようやく現実味」)のポイントは以下の3つだった。(1)米景気の復調で円安シナリオが徐々に現実味を帯び始めた。当面注目されるのは8月下旬のイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演である(2)今後の基調は円安だが、地政学的リスク顕在化などによるリスクオフ局面(市場参加者がリスク回避的になる局面)での円高リスクは残る(3)ただし、日本の輸入拡大など「4つのI」による円売り圧力は根強く、円高進行には限界がある。

ここまでの経緯を見る限り、以上の基本認識に変更の必要はないが、3つのポイントそれぞれについて追加すべき要素も出てきている。

■引き続き強い米景気指標

まず、1番目のポイントの米景気や金融政策の動向から始めよう。寒波の影響による1~3月期のマイナス成長から4~6月には年率4%台の高成長へと復調し、7月の雇用統計でも労働市場の改善が確認された米経済。強い景気指標の発表はその後も続いている。例えば住宅市場。7月の住宅着工件数は3カ月ぶりに増加に転じ、2013年11月以来の高水準を記録した。設備投資関連も強い。7月の耐久財受注額は前月比22.6%増と急増。この伸び率は過去最高だ。となると注目されるのが、FRBの金融緩和政策転換に関する姿勢。10月に量的緩和を終えた後、最初の利上げのタイミングをどうするかだ。

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