2019年7月21日(日)

仮想アイドルの歯も磨ける ついに触覚もITで再現

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2014/8/28 7:00
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「Shock-king『触王』はどのチーム?」――。8月上旬、大学生や社会人など64人が16チームに分かれて、触覚関連の技術を活用した"発明"を競う「ハッカソン」が開かれた。

■富士ゼロックスがハッカソン開催、アイデア続々

バーチャルリアリティーで女の子に歯磨きするシステムを体験する記者

バーチャルリアリティーで女の子に歯磨きするシステムを体験する記者

「このシリコン製のボードに顔を触れると、赤ちゃんのほっぺたに触れているように感じます」。各チームのユニークなプレゼンテーションに、会場からは驚きや感嘆の声があがった。富士ゼロックスが横浜市内で開催した開発イベント「触覚ハッカソン」の一場面だ。

ハッカソンとはハックとマラソンをかけた造語で、エンジニアらがソフト開発のアイデアを競うことが多い。

富士ゼロックスは2001年、画面上の触覚が伝わる「触覚マウス」を開発した。複合機の技術から派生して関連研究所で作ったものだ。パソコンの画面上に表示されたれんがの上をスライドさせると、「ボコボコ」とした感触がマウスのボタンを通じて伝わる。他企業にライセンス提供するなど、用途が広がっているという。

こうした触覚にまつわる技術を盛り上げようと、今夏初めて「触覚ハッカソン」を開催した。ハッカソンには、富士ゼロックスのほか、約15の大学・企業が技術・素材を提供した。音楽の盛り上がりに合わせて耳が暖かくなったり冷たくなったりするヘッドホンや、動画などの動きを糸でマウスに伝える技術など多様な素材が集まった。

参加者は提供された技術をもとに、「あったらいいな」と思う発明を生み出す。主催者から3次元(3D)のヘッドマウントディスプレーや触覚マウスなどの専用機器が貸し出される。2日間かけて作業し、最後には審査員が発想力や技術力、完成度などを評価し、「Shock-king」を選ぶ。

参加者は理系、文系や、学生、社会人を問わず、広く一般から募った。見知らぬ人同士が議論しながら開発に取り組むことで、ユニークな発明を生み出す狙いがある。

画面の表示に応じて、マウス中央のボタンに感触が伝わる

画面の表示に応じて、マウス中央のボタンに感触が伝わる

あるチームは人気漫画の「ど根性ガエル」に登場する人気キャラクター、ピョン吉をモチーフにした。「目の不自由な人に安全に道を歩いてほしい」との願いから、Tシャツの中に仕込んだ機器の動きで進行方向を伝える仕組みだ。参加した女性は「開発に14時間かかった。目が不自由な人なら触覚を有効に生かせると考えた」と目を輝かせて語る。

「触覚で感情を共有することは多くの技術者の夢」――。ハッカソンに技術を提供した技術者の一人は力を込める。ネットの世界では視覚や聴覚で情報を共有することは当たり前になった。一方、今回集まった触覚関連の技術は開発されて数年以上たつものも多いが、普及しているとは言い難い。

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