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丸ごとレビュー 自宅の家電すべてスマホで操作 学習リモコン活用

フリーライター 竹内 亮介

ラトックシステムは7月、スマートフォンを各種家電のリモコンにできる「REX-BTIREX1」を発売した。テレビやブルーレイ・ディスク(BD)レコーダーなどのAV機器はもちろん、エアコンや扇風機など、リモコン操作が必要な機器は多い。これらの操作をスマートフォン一つに集約できる「学習リモコン」の一種である。純正リモコンとの操作の違い、学習機能の使いやすさなどを検証していこう。

操作ボタンはスマートフォンに

REX-BTIREX1は、スマートフォンと組み合わせて使う学習リモコンである。従来の学習リモコンでは、ボタンを多数搭載しており、それらのボタンに純正リモコン固有の機能を割り当てて使えるようにしている。そのため「無数」と言っていいくらいむやみやたらにボタンを装備するのだが、REX-BTIREX1ではそういったボタンは一切搭載せず、そもそも操作用のボタン自体がない。

そうしたボタン類は、スマートフォンのアプリ「学習リモコン」の画面に表示される。ボタン数が非常に多く、どこにどんな機能を割り当てたのか忘れてしまうことも多い今までの学習リモコンに比べると、はるかにシンプルで使いやすい構造だ。またボタンの機能や対応家電の数も、アプリのアップデートによって増やすことが可能で、スマートフォンらしい拡張性も魅力の一つだ。実勢価格は8000円前後。

REX-BTIREX1と接続できるのは、iOS6.0以降を搭載するiPhoneやiPad、Android4.0以降を搭載するスマートフォンやタブレットだ。接続にはブルートゥースを利用する。

添付のACアダプターとREX-BTIREX1を、マイクロUSBケーブルで接続して起動したら、スマートフォンのブルートゥース設定からペアリングしよう。さらにアプリストアから「学習リモコン」をインストールする。

基本的には準備作業はこれだけだ。あとはリモコン操作したい機器のプリセット(基本的な操作ボタン類)を追加していけばよい。ソニーのBDレコーダー向けのプリセットでは、選局ボタンや音量キー、電源ボタンなど基本的な機能のほか、各種操作の起点となる「ホーム画面」を表示するボタン、上下左右ボタンと決定ボタンなどが用意されていた。

ソニーのBDレコーダーでは、このホーム画面から上下左右ボタンと決定ボタンで、ほとんどの作業が行える。ただ、編集画面などで「オプション」ボタンや「画面表示」ボタンを多用するのだが、そういった固有の機能ボタンは学習機能で追加する。

機器固有の機能は学習機能で

学習機能では、機器に付属する純正リモコンとREX-BTIREX1を向かい合わせにして操作し、その操作を学習リモコンアプリ側のボタンに割り当てる。この辺は一般的な学習リモコンと同じだが、追加したボタンに対して「オプション」「画面表示」など名前を付けられる。一般的な学習リモコンでありがちな「どのボタンにどの機能を割り当てたのかを忘れてしまう」心配がない。

扇風機や照明機器など、プリセットに用意されていない機器でも、この学習機能を使って操作用のボタンを追加していくことが可能だ。

別のスマートフォンにバックアップ可能

学習機能で注目したいのは、学習結果を「バックアップ」する機能だ。バックアップした学習結果を、ほかのスマートフォンなどに移動すれば、あらためて学習操作を行う必要がない。一般的な学習リモコンでは、壊れて買い替えた時には同じように学習操作をしなければならなかった。しかしREX-BTIREX1ではそうした手間が必要ない。

タイマー機能も面白い。これは、指定した時間に特定のリモコン信号を定期的に発信するという機能だ。旅行中でも夜の一定時間だけシーリングライトを点けておき、留守ではないように見せかける、あるいは時間指定によるオン/オフができない古いエアコンや扇風機に、タイマー機能を追加するといった使い方が可能だ。

リモコンの赤外線は、背面の一部領域を除いて広い範囲に照射できる。距離は8メートルまで対応するという。天井付近につり下げておけば、ワンルームマンションならおおむね部屋中をカバーできる。リビングのテーブルに置いて、テレビやBDレコーダー、エアコンを一手に引き受ける、という使い方もいいだろう。

もちろん赤外線なので、遮蔽物があると通信できない。タイマー機能を使う場合は、赤外線受光器とREX-BTIREX1の間には、何もない状態であることをよく確認しておきたい。REX-BTIREX1とスマートフォンはブルートゥース接続なので、遮蔽物があっても大丈夫だ。

アプリのさらなる作り込みに期待

ちょっと残念に思ったのは、学習リモコンアプリ上のボタン配置が、機器のカテゴリによってほぼ共通であることだ。せっかく自由度の高いスマートフォンの画面を使うのだから、その機器のリモコンのイメージをそのまま再現するようなものだとさらにわかりやすい気がする。

また先述したソニーのBDレコーダーの「オプション」ボタンなど、必須ともいえる機能が用意されていない。ボタン配置を共通化するために、イレギュラーなボタンを排除したのかもしれないが、使いやすさを考えるなら、初心者向けとはいえない。

また便利なバックアップ機能だが、クラウドを使って複数のユーザーで学習機能を共有できるようにすると、もっと便利になるのではないかと思った。クラウドやユーザーのID、パスワードの管理など、実際に導入するにはハードルの高い機能ではあるが、これを実装すれば「自分で進化する学習リモコン」という画期的な製品になる。

こうしたいくつかの残念なポイントはあるにせよ、優れた製品であることは間違いない。リビングにいくつもリモコンが散乱し、どの機器をどのリモコンで操作したらいいのかいつも迷う、というようなユーザーなら、ぜひ導入して使って見てほしい。

竹内亮介(たけうち・りょうすけ)
 1970年栃木県生まれ、茨城大学卒。毎日コミュニケーションズ、日経ホーム出版社、日経BP社などを経てフリーランスライターとして独立。モバイルノートパソコン、情報機器、デジタル家電を中心にIT製品・サービスを幅広く取材し、専門誌などに執筆している。

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